《荒木大輔のズバリ解投》絶好調のニューフェース 必ず苦しむ時は来る そこでどうするか
■交流戦1回戦 巨人7ー2日本ハム(6月14日、エスコンフィールド北海道)
逆球も多くチェンジアップも浮いた山崎
この日ばかりは本調子にはほど遠かった。先発した山崎のことだ。コントロールに苦慮し、逆球も多かった。普段の粘りも鳴りを潜めた。決め球のチェンジアップも高めに浮くシーンがいくつかあった。顕著だったのが坂本に先制ソロを浴びたシーンだ。あれだけ実績のあるバッター。甘い球を逃さなかった。
疲れが出始める頃 昨季までとは違う緊張感
今季11試合目の先発マウンド。疲れが出始める頃ではある。陸路での移動が多いオリックスから、空路での移動が当たり前の日本ハムに移籍して1年目。移動距離には格段の違いがある。疲れの質も違うだろう。そして何より、日本ハムでは投手陣を引っ張る立場にある。緊張感は昨シーズンまでとは比べものにならない。
経験のある投手 次回登板では修正するはず
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ただ、こういう日もある。経験のあるピッチャーに違いはない。映像を確認したり、女房役の伏見や投手コーチとコミュニケーションを取って、しっかりとこの日の投球を消化できる。次回登板で修正してくれるはずだ。
ポテンシャルの高さは随一
楽しみな存在なのが水谷だ。好調を維持し、この日も本塁打を放った。しかも右翼へ。ポテンシャルは高い。逆球だったとはいえ、逆方向にあれだけの打球を飛ばせる日本人は、なかなかいない。それこそ、万波ぐらいだろう。
他球団のスコアラーは注視 インコース攻めは必至
だが、このまま打ち続けられるほど、プロ野球は甘い世界ではない。今は無我夢中でプレーしているはずだ。1軍舞台で試合に出続けること自体、今シーズンが初めて。うれしくて仕方ないだろう。ライバル球団のスコアラーは連日、しっかりと分析している。これからは徹底し、インコースを突き、崩しにかかってくるだろう。
結果が出ない時こそ成長のタイミング いい例が万波
必ず、結果が出ずに苦しむ時は来る。そういう時にどう対応するか。そこがまた一つ、成長につながるタイミングでもある。考え、思いを巡らせ、練習を繰り返すことで進化していく。いい例が万波だ。この日、ヒットこそ出なかったが、二回の第2打席では粘って四球をもぎ取った。日本球界を代表するピッチャーの戸郷。そう簡単には打たせてくれない。そこで見せた粘りは評価できる。水谷のさらなる飛躍にも期待したい。