杉浦稔大 冴えるフォークで4球火消し! 父の日の好投に「良い姿を見せられました」
■交流戦3回戦 巨人3ー3日本ハム(6月16日、エスコンフィールド北海道)
3児のパパが好リリーフ 1死二、三塁を無失点
日本ハムの杉浦稔大投手(32)が16日、エスコンフィールド北海道で行われた巨人戦に2番手で登板し、好リリーフでピンチを乗り切った。子煩悩な3児のパパが「父の日」にマウンドで躍動した。
リリーバーのかがみ 「勝ちを消さないように」
道産子リリーバーが絶体絶命のピンチを救った。出番は1点リードの七回1死二、三塁。先発・加藤貴の後を受け、「勝ちを消さないように。バッターと勝負して一球一球、自分の球を信じて投げようという思いだけでした」と気合十分に持ち場へ向かった。
リニューアルさせた決め球で2打者を料理
迎えた1人目。代打・大城のショートゴロを水野が軽快にさばき、三走の本塁突入を阻止。続く泉口も内野ゴロに仕留め、わずか4球で反撃の芽を摘んだ。結果球は、どちらもフォーク。昨夏から磨き続けた勝負球がしびれる場面で冴え渡った。
24試合の登板に終わった昨季は、8月3日の登板を最後に1軍の舞台から遠ざかった。ファームで過ごした長い時間は、生命線とするフォークをイチから見つめ直した。
ポイントはスピード オフシーズンも研さん
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「(昨季の)前半戦は大きめに落とそうと思いながら投げていたけど、それだとバッターに見極められた。今は速いフォークを投げるピッチャーが多い。リリース直後に一瞬でも真っすぐに見えるようにしないと、どうしても見極められてしまう」
変化量を捨てでも、追求したのはスピードだった。「簡単に言うとスプリット気味に」と握りを浅くすることで、ボールの軌道は変化した。もともと130キロ台前半だった球速も、改良後は約140キロまでアップ。北海道で過ごしたシーズンオフも取り組みを継続し、感覚を研ぎ澄ました。
納得のライン 今季ここまで防御率0.50
進化したフォークを武器に、今季は防御率0.50と抜群の安定感でブルペンの屋台骨を支えている。
「フォークを真っすぐのラインに乗せられる球が増えて、ボールになっても、そんなに無駄な球にはなっていないかな。(左打者に対して)逃げながら落ちる、良い感覚で投げられている。それで(この試合も)ショートゴロになってくれたのかなと思います」
力みなぎる子どもたちからの言葉
大切な家族の存在が、なによりの原動力になっている。16日は「父の日」。特別な一日の始まりに、心温まる光景を目にしたという。
「起きた時に子どもたちが『きょうは父の日!』と言ってくれました。分かってくれているんですね。たまたま登板があって、良い姿を見せられました」。頼れる一家の大黒柱は優しい笑みを浮かべ、家路についた。