《平川弘のCool Eye》彼らが働いてくれないと負の連鎖は断ち切れない
残留圏17位まで勝ち点4差
ライバル京都との6ポイントゲームに敗れた札幌。最下位からの脱出はならず、勝ち点は11のまま。京都戦で勝ち点3を獲れなかったらJ2降格を覚悟しなければならないと言ってきたが、幸いにも残留圏の17位・湘南までまだ勝ち点4差。まだ札幌にも挽回のチャンスが残されているのは事実だ。
今の横浜Mには隙がありそう
次節は前半戦最後の横浜Fマリノス戦。横浜Mに勝っても札幌は最下位から浮上する可能性は薄い。しかし、上との勝ち点差を少しでも詰めて、良い形で後半戦につなげるためにも、ひと泡吹かせたい。一昨年のリーグ覇者である横浜MだがACLの決勝で敗れ、過密日程もあって前節は町田に1-3と逆転負けを食らった。本調子からはほど遠いので札幌が付け入る隙はありそうである。
新しいことへのトライ
京都戦もそうだったが、これまでと同じ札幌のやり方をしていても勝つ可能性を感じない。ケガ人が増えて台所事情が苦しいのは分かるが、どこかをいじって新しいことにトライしないと悪い流れを変えられない。
これだけチョンボが多ければ普通はメンバー外
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それが、DF西野をストッパーに使い、DF馬場をボランチに持っていった采配だった。皮肉にも最終ラインに下りてきてビルドアップに加わった馬場がボールを引っ掛けられて2点目を献上することになった。今季の馬場のチョンボの多さには目を覆いたくなる。普通のチームならもうチャンスはもらえていないと思うが…、選手層の薄さがあるので使わざるを得ないのだろう。
これはタブーだが、DF田中駿汰(C大阪)がいたらと思ってしまうのは私だけだろうか。使ってもらっている以上、馬場には借りを返してほしい。
札幌のお株を奪われたような崩し
1点目も左ワイドに起用されたMF田中宏武が裏を取られてサイドを割られたことが失点の要因だった。札幌アカデミー育ちのDF福田に3人目の動きで裏を取られた。札幌のお株を奪われたような崩しだった。田中宏のポジショニング、状況判断の甘さも気になるところだ。ことごとくペトロヴィッチ監督の采配が裏目に出てしまった。
悩める武蔵が点を取るためにも
負の連鎖はなかなか止まらない。現状ではボランチにMF荒野と馬場のハードワーカーを使うだろう。とすると、攻撃に変化を付けれるのはMF駒井はもちろんだが、MF小林、長谷川の2人。彼らが働いてくれないと悩めるFW鈴木も点を取れないし、負の連鎖は断ち切れない。