細野晴希 毎日連絡を取り合う親友が明かす〝オチョア〟の素顔 登板前に交わす約束とは
■交流戦3回戦 日本ハム1ー2阪神(6月18日、阪神甲子園球場)
デビュー戦で堂々の投球 親友が明かす素顔
日本ハムのドラフト1位・細野晴希投手(22)が18日、阪神戦でプロ初登板初先発を果たした。五回にヒットと2四球などで1死満塁とされた場面で降板したが、五回途中1失点と好投。堂々のデビューを飾った。
東洋大野球部のチームメートで毎日のように連絡を取り合う小林彪希(ひょうき)さん(22)が、ルーキー左腕の知られざる素顔を明かした。
ユニークなゲーム上の愛称 名付け親は小林さん
細野はゲームのプレーヤー名を「オチョア」と登録している。周りに全く浸透していないというニックネームの名付け親は小林さん。細野→ホチョノ→オチョノ→オチョアと変化していったという。
デビュー戦決定時には連絡 「見に来いよ」
小林さんは今年4月から建築系の会社で営業マンとして勤務。顔を合わせる機会は減ったが、毎日欠かさずやりとりをしている。1軍デビュー戦が決まった時には、細野が「見に来いよ」と連絡。仕事のため、球場に来られなかったが「有名になってくれと思っています」とエールを送る。
出会いは高校3年の春 けん制を手ほどき
そんな2人の出会いは、高校3年生の春までさかのぼる。小林さんがいた東洋大姫路に、細野がいた東亜学園が遠征で訪れた。当時、東洋大姫路を率いていた藤田明彦監督から「おまえ、へたくそなんだから(けん制球が得意な細野に)教えてもらえよ」と指令を受けたのがきっかけだった。
負けん気の強さにビックリ 「絶対に負けないからな」
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マンツーマンでコツを教えてもらい、インスタグラムの連絡先を交換。東洋大への進学が有力視されていた細野に「もしかしたら俺も東洋大学に行くかも」と伝えると「『絶対に負けないからな』と言われたのは今でも覚えていますね」。負けん気の強さに驚かされた。
距離を縮めた大学2年の秋 ゲームでも負けず嫌い
ともに東洋大へ進学し、チームメートに。大学2年の秋に小林さんが対戦アクションゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ」を薦めたことで、距離がぐっと縮まった。細野が攻略ノートをつけるほど「スマブラ」にドハマリ。「(対戦で)負けたら本当に怖いくらいです(笑)。負けても『今のなしやろ?』って何回も何回も。最近、負けてしまって…。このごろ、勝ったり負けたりになってきました」。ゲームでも負けず嫌いを発揮する。
忘れられない卒業論文の共同作成
知り合って5年ほどたつが、一回もけんかをしたことがない。大学4年時には「大学野球投手の投球動作における運動学的特徴」をテーマに、共同作業で卒業論文を執筆した。
「平和な日常を送っています。一番の思い出は卒論ですかね~。(細野が)ボロクソ言ってくるんですよ(笑)。なんとも思わないですけど。またなんか言いよるわ~と思っていました」と豪快に笑い飛ばす。
プロを諦めた小林さん 細野へ「めちゃくちゃ応援しています」
そんな小林さんも、高校時代はプロ注目の左腕だった。「過去の栄光です」。入学当初は主力組にいたが、スランプに陥り、抜け出すことができなかった。
一方、細野は大学ジャパンに選ばれ、最速158キロをマーク。「うらやましかったですけど…。頑張ってほしいというのはめちゃくちゃありました。自分自身に対して悔しいですけど、細野に対して嫉妬はないです」。夢をかなえられなかった自身の分も「頑張ってほしいです。めちゃくちゃ応援しています」と願う。
〝約束通り〟のボールでプロ第1投!
ここ最近、登板前にはこんなやりとりをしている。小林さんが「初球152キロど真ん中ストレート頼んだ」と送り、細野が「やったるわ」と返す。「初球ど真ん中152キロでいってよ~と言ったら、それでいくわ~と毎回言ってくれるんです。毎回、初球だけですけど、ど真ん中真っすぐを投げています」
注目のプロ第1投は、149キロのストレート。内角寄りだったが〝約束通り〟の力強いボールだった。