道文教大附がPK戦制して2年ぶりV 守護神GK尾形の父は日本協会GKコーチ【全道高校女子サッカー】
■全道高校女子サッカー大会最終日(6月19日、札幌・白旗山競技場)
▽決勝 道文教大附0-0(PK4-3)道大谷室蘭
12年連続同一カードの決勝制す
道文教大附がコロナ禍で中止になった2020年を除き、女子大会が始まった12年から12大会連続の決勝戦同カードをPK戦で制して2年ぶりに女王の座に返り咲いた。道大谷室蘭は敗れたが、今年と来年のインターハイは室蘭で行うため、地元開催枠で決勝進出の2校が出場する。
GK尾形の活躍で通算6勝6敗
道文教大附のGK尾形芽生(3年)が公式戦初のPK戦で2本を止め、2年ぶりの優勝をたぐり寄せた。「楽しかったです。でも悔しい、もうちょい止めたかった」。昨年までライバルとの決勝の戦績は5勝6敗で道文教大附の負け越しだったが、今回の優勝で再びタイに持ち込んだ。
データも駆使して1本目からPKストップ
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70分プラス20分の延長戦でも決着がつかず、勝負の行方はGK尾形のPKストップの手腕に託された。今年で6年目を迎える元エスポラーダ北海道の三浦拓GKコーチ(32)から「こういうデータがあるよって教えてもらって、1本目で当たりました。自分も元々右に飛ぼうってとこで、データも右だった」。
今春から正GK
普段の練習から三浦コーチとPKストッピングに取り組んできた。「自分から見て、こっちに来るよって指定してもらって、反応する練習と、飛んでから高さの指定はないので、自分が手を出すとか、足で止めるとかっていう判断の練習。近距離のシュートの対応とか、コーンをゴールにしたり」と、バリエーションに富んだトレーニングで能力を高め、今春から正GKを任されてきた。
父からは「楽しめ」
生粋のGK一家だ。尾形の父・行亮さんは、日本サッカー協会GKプロジェクトの北海道担当コーチ。アンプティサッカーの日本代表監督も務めている。尾形も小学4年からGKとしての技術を教わった。「父から(の助言)は『とりあえず楽しめ』。一番気を付けていることは自分がニコニコすること。基本は相手を見てから飛ぶ派」。全道大会3試合は全て完封で、守護神としての大役を立派に務めた。
目標としてきた先発全員3年生
今年は清野訓靖監督(41)が13年の就任後、初めてレギュラー全員が3年生。「団結力が高い。この時期では一番早い段階で仕上がってきています。スタートで3年生全員は、今まで私が監督やってきて一回もなかった。これを後輩たちも見てもらって、3年生が引っ張っていく高校生らしいチームを今後も伝統にしてってもらえれば」。曽部妃加里主将(3年)も「1年生の時からずっとスタメンを3年生で埋めたいって、ずっと目標にしてて、それがかなって、よりみんなが力入ってた」。部員の3年生15人全員で勝ち取った勝利だ。
走れるチームで今年は日本一目標
昨年地元で行われたインターハイは1回戦敗退。今年と来年は女子サッカーのみ室蘭で開催される。曽部主将は「今年の目標は日本一。とにかく体力を付けて、日本中のどのチームよりも走れるチームづくりをしていきたい。北海道ということで、たくさん応援に来てくれるっていうこともあって、自分たちもその分、感謝しながらも全力で恩返しできるように頑張りたい」。地元の大声援を力に変えて、快進撃を繰り広げる。