堀瑞輝 2軍降格からおよそ1カ月 どん底の左腕を救ってくれた人たちの存在とは
降格後は2軍で5試合に登板 着実に歩む完全復活への道
日本ハムの堀瑞輝投手(26)が周囲の支えもあり、どん底を脱した。5月23日の2軍降格後は5試合に登板し、計5イニングを投げて1失点。19日のオイシックス戦(鎌ケ谷)はベンチ入りも、出番はなかったが「やることがハッキリしているし、試合に投げられている。しっかり抑えて、今はフォークとか変化球の精度を良くしていきたいです」と表情は明るい。
5月22日のオリックス戦でグランドスラムを被弾
2021年に最優秀中継ぎのタイトルを獲得。ブルペン陣の中心にいた左腕だが、昨季は左肩痛の影響で1軍登板は5試合のみだった。今季は5月7日に初昇格。同22日のオリックス戦(エスコンフィールド北海道)で4点リードの八回からマウンドに上がり、オリックス・福田に満塁アーチを被弾した。
福島のプロ初勝利がフイ どん底に落ちた左腕
同点に追い付かれ、福島のプロ初勝利が消滅。「福島の勝ちを消したことでへこんでいた。ただそれだけです」。2軍落ちが決まり、後輩右腕に謝罪。絶望の淵に立たされた堀を救ってくれたのは選手会長だった。
選手会長の激励に風呂場で涙
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「(松本)剛さんに『鎌ケ谷行ってきます』と言ったら、話を聞いてくれた。今年は我慢するしかないから、今ここで吐き出しな。自分のやることだけやって頑張れと」。松本剛は1軍と2軍を行ったり来たりした自身の経験をもとに、励ましてくれた。つらい気持ちに寄り添ってもらい、風呂場で1人、涙をぬぐった。
師匠のレジェンド左腕も優しく喝
2軍施設の鎌ケ谷では〝師匠〟宮西が温かく迎えてくれた。「ミヤさんもいつもだったら、ダサとかショボとか言うけど、今回ばかりは何も言われなかった」。レジェンド左腕は「おまえ、なに泣きそうな顔してんねん。テレビに映っているわ」と喝を入れつつ、優しく接してくれた。
その宮西は18日の阪神戦(甲子園)で今季初の1軍昇格。「自主トレを一緒にやっているし、なんだかんだ一緒にやれる楽しさがある。頑張って1軍に上がりたいですね」と決意を新たにした。
胸に刻んだ新庄監督の言葉 「絶対、下は向くな」
新庄監督からかけられた言葉もある。「絶対、下は向くな。まだ、あるから」。背番号34は、立ち止まらず、前だけ向いている。