U-17日本高校選抜メンバーが負傷離脱も旭川実業が29年ぶり4連覇【全道高校サッカー】
■全道高校サッカー大会最終日(6月19日、札幌・白旗山競技場)
▽決勝 旭川実業4-2札幌大谷
MF萩野主将がPKで決勝点
旭川実業が札幌大谷の追い上げを振り切って、1995年の室蘭大谷以来29年ぶりの4連覇を達成した。2-2で迎えた後半29分に得たPKをMF萩野琉衣主将(3年)が決めると、2分後にはFW高杉龍乃介(3年)がこの試合2点目となるダメ押しゴール。夏の北海道王者の座を守り切った。決勝に進んだ2校は7月26日に福島で開幕するインターハイに出場する。
富居監督「層の厚さつくっていく」
昨季、高校世代国内最高峰のプレミアリーグイーストに参戦した旭川実業が、最後に底力を見せつけた。今年3月のU-17日本高校選抜で指揮を執った富居徹雄監督(51)は「うれしいのはうれしいです。ただ選手には、もうちょっと仕事してほしかった。サブだった子をスタートで使ってみたり、スタートをサブで使った。層の厚さをつくっていかないと。やっぱり全国だと人数が少ない中で連戦になってきた時に、いろんな使い方が出てくるんで、そこを考えている部分はある」。本番までにさらなる底上げを図る。
プリンス負けた相手に勝って優勝
チームをまとめるのは、決勝点のPKを決めた萩野主将だ。「PKになったら、あそこに蹴ろうって試合前から決めていた。プリンスリーグで負けている相手だったんで、そこはみんなが強い気持ち、ライバル心を持っていた。その相手に勝って優勝できたのはうれしい」。試合後には、控え選手と一体となって喜んだ。
主力選手が左足首の靱帯断裂 信頼回復に一から出直し誓う
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今大会では3月のU-17日本高校選抜メンバー入りしたFW清水彪雅(3年)が登録から外れた。5月末の体育の授業でバレーボールをした際に、着地に失敗して左足首外側の靱帯を完全断裂。全治は4週から8週と診断された。本人は「本当にやらかした」と猛省するが、萩野主将は「清水が抜けて、ちょっと攻撃力は下がる気がするけど、それ以外は他の選手でも対応できるので、特にそんな不安はなかったです」と手厳しい。清水は「自分の分までみんながやってくれたので、あとは自分が全国に出てチームを引っ張っていけたら」。再びチームメートの信頼を取り戻すため、一から出直しを誓った。
文武両道に力入れて部員124人
富居監督は今年4月に同校の理事長にも就任した。部員は総勢124人の大所帯。「呼んだというより、来てくれる子が多い。中体連のクラブでも試合に出てない子がいますし、勉強とサッカー両方したいって来てくれる子もいるけど、その子たちを切るのは嫌。強化するだけならたぶん60、70人ぐらいにしてやっていた方が絶対いいんですけど、僕も公立高出身だから、下手でサッカーするのもサッカーだし、そこもお付き合いしたいなと思ったら増えちゃいました」。近年では北海道大や室蘭工業大に教え子を輩出するなど、文武両道に力を入れている。
全国V目指し最終調整は関西遠征
1カ月後の大舞台へ、例年通り関西遠征で最終調整する予定。昨季プレミアでは、萩野主将を含め3人が主力として出場していた。1シーズンで降格したが、「去年は守備の時間が多かったんで、守備や予測の力は去年ついて、今年も生かせている。(全国大会に)出るからには優勝を目指してやりたい」と萩野主将。昨夏の全国16強の成績を塗り替え、真夏の福島で躍進する。