【青春の1ページ】~F戦士が高校時代を振り返る~ 根本悠楓投手
プロ4年目の道産子左腕が登場
どんなプロスポーツ選手にも、色あせることのない〝青春の思い出〟がある。道新スポーツデジタルでは、アスリートの高校時代にスポットを当て、「青春の1ページ」と題して連載する。第7回は、北海道・苫小牧中央高出身の日本ハム・根本悠楓投手(21)が登場する。当時のタイムスケジュールや、初めて涙を流したという2年夏の駒大苫小牧高戦…。朝から晩まで、ひたすら野球に打ち込んだ日々を振り返った。
時には朝食を自炊 帰宅後も自主トレーニング
―高校時代の1日のスケジュールは
「(午前)6時50分(発)の電車に乗るので5時半くらいに起きて、シャワーを浴びて。親は仕事で浜に行ったりしていたので、自分でご飯を作ったりしていました。朝ご飯は絶対、食べたい。もちろん作ってもらっている時もあったんですけど、鶏肉を焼いたり、卵を焼いたりしていました。白老の奥の方なので、(苫小牧まで)電車で40分くらいかかる。7時半くらいに駅に着いて、歩いて8時前に学校に着く。朝練はなくて、各自やりたい人はやってという感じでした」
―授業は
「水、金(曜日)は午前中で授業が終わって練習。木曜日も午前中で終わることが多かったです。昼からだったら(午後)1時から練習。終わるのはナイター(設備)がないので6時です。自主練をして、7時50分の電車で帰れと言われていたんですよ。学校が9時くらいで閉まっちゃうので。自分の駅まで行く電車が、7時50分か終電の9時50分しかない。7時50分に合わせて自主練して、9時くらいに家に着いて、走ったりシャドー(ピッチング)をしたりして寝ていました。今振り返ると、きつかったですね」
3年間で遅刻ゼロ 学業成績は学年トップ!
―朝も寝坊できない
「6時50分に乗り遅れたら、もう間に合わないです。でも、遅刻は一回もしたことないです」
―勉強は得意だった
「赤点は取るなと言われていたので、赤点を取ったら、試合に出られない。普通に勉強していましたよ。一応、1位だったので学年で。フフフ。特進ではなく、普通のクラスで。普通の学校なら下の方(の成績)ですよ」
真面目な授業態度 「一回も寝たことないです」
―真面目に授業を聞いていた
「寝ないです。小学校から高校まで一回も寝たことないです。そういうのは意外と…意外とというか(笑)。寝ることだけは、あまりしたくないので」
―得意科目は
「ないっす。特に英語は無理。英語は大嫌いです」
仲間が音を上げたバーピージャンプ 「でも、余裕っす」
―苫小牧中央高の伝統メニューは
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「それがないんですよ。めっちゃ走るとかない。だから、自主練で走っていました。あっ、1個ありました。冬トレの時の体育館でのボール回し。エラーしたらバーピージャンプを10回だったかな。300回、バーピージャンプやっていた気がします。割ときつかったですね。あれはみんな憂鬱(ゆううつ)そうでした」
―大変だった
「でも、余裕っす」
自主性を重んじる野球部で急成長
―どちらかといえば、自主練が多かった
「そうですね。自主練は多かったですね。なので、伸びる人は伸びる。やる人は。めっちゃゆるゆるじゃないけど、めっちゃきついわけではない」
1年夏からベンチ入り ライバル校と切磋琢磨
―白老白翔中では全国制覇。高校では1年からベンチ入りした
「1(年)夏っすね。夏は(自身が)投げて、北海道栄に負けました。5回2失点かな。意外と抑えられましたね。責任は感じましたけど、2年生の時の方がやばかったです。(夏の室蘭支部代表決定戦で)駒大苫小牧に5-6で負けた。その年の春も対戦して、2-3で負けたんですよ。亜細亜(大学)の北嶋(洸太)と投げ合って、2春、2夏、2秋、3夏と全部負けているんですけど、2夏の時は3年生がめっちゃ気合入っていて、高校3年間で一番、緊張しましたね」
忘れられない駒大苫小牧高との激闘
―同じ地区の駒大苫小牧高には
「負けたくないですよね。結構、緊張して、最初、足震えていたんですよ。なんでこんな緊張するんだって。結局あまり腕が振れなくて五回までに5失点くらいしました。うわ~これで終わるのかって。五回終わりに監督に声を掛けられて、開き直ってそこから良くなって、5-5に追い付いて、九回にサヨナラ(負け)。その時は、悔しくて申し訳なかったですね」
―その時は泣いた
「その時は泣きました。初っす。泣きたくないので」
3年生や監督からの声掛けに涙
―いつもポーカーフェース
「(感情は)見せないです。表すのが下手なので(笑)。その時は、なんで泣いたんだろう。負けた時には泣いていない。(学校に)帰ってベンチ裏で泣いていたのは覚えています。3年生、監督にも何か言われたと思います。いや~泣いたのは初っすね」
―それ以来、涙は流していない
「泣いていないですね。中学でも泣いていないし。声掛けてもらったら、ダメでしたね。マジで悔しかった。3年生の時は自分たちの代なので、しゃあないって」
最後の夏もライバルに惜敗
―3年夏はドラフト候補として注目されていたが、南北海道大会の準々決勝で駒大苫小牧に敗れた
「あの時も悔しかったけど…。足をつったんですよ。三回くらいに。めちゃくちゃ暑くて。2-3で負けて、ホームランとツーベース打ちました。足をつってコントロール乱しましたね」
大好きな野球に没頭できた3年間
―野球以外で、高校時代の思い出は
「何もないですよ。行事がないんですよ。体育祭だけ。体育祭も11月に室内で。めっちゃ寒いんです。文化祭もない。修学旅行はあって、沖縄、京都、大阪に行きましたけど。沖縄2泊して京都に行って、その日に大阪入りして最後にユニバ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)行く感じです。女子もほとんどいなくて、ほぼ男子校でした。自分は野球しに行っていたので、全然、良かったですけど」
―野球に打ち込んだ3年間
「そうですね。1年生の時はきつかった。4月中盤。今でも覚えています。行きの電車でボーとして、『早く大人になりたいなあ』って。きのうのことのようにめっちゃ覚えています。電車から見た空を(笑)。きれいでしたね」
食事しながら寝てしまったことも
―通学中の電車では何をしていた
「何もない時は寝て、体力回復。テスト前は勉強です。(家に)帰って、ご飯食べながら寝ていたこともありました。ご飯を食べている途中に。起こされずにそのまま寝ていて、気付いたら朝だった。風呂入る前に、寝ちゃうことは何回もありました。(入学時の)始動期間は結構、走ったり、あいさつを練習からやって。そこを乗り越えてから、ちょっと楽になりました」