清宮幸太郎 2試合連続のタイムリー フリー打撃でも柵越え連発「もうちょいっすね」
七回2死一、三塁、勝ち越しの適時二塁打を放つ清宮=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ8回戦 楽天9-9日本ハム(6月21日、エスコンフィールド北海道)
戻ってきた勝負強さ あとはオーバーフェンスだ!
ここから波に乗っていく。日本ハムの清宮幸太郎内野手(25)が「2番・一塁」で先発出場し、同点の七回に一時勝ち越しとなる右翼線への適時二塁打を放った。
18日の阪神戦(甲子園)でも代打タイムリーを放つなど、2試合連続でチャンスをモノにした。あとは誰もが待ち望んでいる今季1号の放物線を描くだけだ。
初球を仕留めた 二塁上で満開笑顔&ガッツポーズ
二塁ベース上で渾身の〝右アッパー〟がさく裂した。3-3で迎えた七回2死一、三塁。清宮のチャンステーマであるQueenの「I was born to love you」が流れた。期待感が充満する中、清宮は初球から仕掛けた。楽天・宋が投じた138キロのチェンジアップを強振。快音を残した打球は右翼線を抜けて行った。
七回2死一、三塁、勝ち越し打を放ち、ガッツポーズをする清宮=撮影・村本典之
まさに読み通り してやったりの一打
「シュートとチェンジアップと頭にあって、外に逃げる球が多いので、そのイメージを持ちながら打席に入ろうと思ってました」と、甘く入ってきた球を逃さなかった。
予感あり 試合前練習から納得の打球
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この日は試合前練習から好調さを漂わせていた。フリー打撃で右翼2階席にぶち込んだだけではなく、反対方向の左翼席にも柵越えを連発。「練習は良かったんで、試合はもうちょっと。1打席目とか惜しいファウルとかもあった」と話すなど、アーティストとして追い求める高い弾道の打球がよみがえってきた。
後輩たちから刺激 早大が全日本選手権で準V
少し前には〝早稲田魂〟が刺激された。早大が東京六大学の春季リーグを制し、9年ぶりに全日本大学野球選手権へ駒を進めた。早実出身の清宮は「(早実出身の)梅村(内野手、4年)や石郷岡(外野手、3年)とかは知ってますよ。勝ってほしいですよね」とエールを送ると、早大も粘り強い戦いを見せて決勝へと進出。16日の決勝は惜しくも青学大に1-2で敗れたが、準優勝と奮闘した。
弟へはゲキ 「もうちょいっすね。頑張らないと」
そして、気になるのは弟の福太郎内野手(3年)。今大会でもベンチから外れた弟へ「もうちょいっすね。頑張らないと」と奮起を促しただけに、兄としてもふがいない姿を見せるわけにはいかなかった。2試合連続適時打の結果を残して、存在感を示した。
チームとともに巻き返しへ
チームは大量5点のリードを追い付かれ、3試合連続の延長戦に突入。最後は引き分けに終わり、連敗脱出とはならなかった。球宴まで、そして後半戦で上昇気流をつくるには、清宮の覚醒が不可欠。今季、出遅れた左の大砲は「もうちょいっすね」
上向きの状態を確実なものとし、勝利へ導く一打を量産する。