ほかのメンバーよりも少し遅れて球場入りし、選手、スタッフにあいさつしながら、慌ただしく練習に参加した。２１日の試合で右足を負傷し、登録を抹消された水野に代わり、福田光が緊急昇格してきた。

　１軍の裏で行われた２１日の２軍ＤｅＮＡ戦（横須賀）もナイターで、くしくも延長十一回ドローだった。出場機会がなかった福田光に連絡が入ったのは、試合終了直後。「（２軍も）延長だったんですけど、試合展開は早かった。連絡が来たのは夜９時ぐらいですかね」と回想。それから大忙しで動いた。寮のある鎌ケ谷に戻り、深夜に荷物を準備。最低限の睡眠を取ると、朝８時発の便で移動し、午前１０時半ごろ、エスコンに到着した。

　形はどうあれ、待ちに待った１軍昇格だ。ただ内心は驚きが勝っていたようで「『いや、オレ？』みたいな。ファームでもそんなにいい成績を残していなかったので」と素直に胸の内を明かし「バタバタでしたけど、僕からしたら、うれしいことなので何も気にせず、できたら」とスイッチを戦闘モードに入れていた。

　新庄監督には「グラウンドが変わるだけで、普通のプレーをしたら大丈夫」と背中を押されたそう。いつチャンスが巡ってくるか、分からないのがプロの世界だと、あらためて思い知った。