エースで連敗ストップ! 伊藤大海がリーグトップタイ6勝目 「欲を言えば、もう少し長い回を…」
■パ・リーグ9回戦 楽天2ー5日本ハム(6月22日、エスコンフィールド北海道)
粘りのピッチングで6回2失点
日本ハムの伊藤大海投手(26)が22日、エスコンフィールド北海道で行われた楽天戦に先発し、6回2失点でリーグトップに並ぶ6勝目を挙げた。
頼れるエースが粘りの投球で、引き分けを挟み3連敗していたチームの悪い流れを断ち切った。
寒さニモマケズ 「ゲームをつくれたのは良かった」
どんより曇り空の下で、力強く右腕を振り続けた。今季初めて開閉式屋根が開いた〝ルーフオープンゲーム〟を勝利で彩り「ちょっと中(登板間隔)が空いて気負いすぎたけど、粘ってゲームをつくれたのは良かった。風の影響はそんなに受けなかった。ただ、ちょっと寒かったですね(笑)」と充実感をにじませた。
マウンド上で巧みに修正 緩急を有効活用
交流戦優勝を飾った犬鷲打線は手ごわかった。一回に3連打を含む長短4安打を集められ、2失点。いきなり試合が壊れかねない状況に陥ったが、緩急を駆使することで投球を立て直した。
「初回から(相手打線の)仕掛けが早いなと感じたので、(田宮)裕涼と話をしながらチェンジアップとカーブをうまく使って、向こうの間に入らないようにした。きょうの球数は140球ぐらいを覚悟してマウンドへ上がった。あまり四球は気にせず、意図したボールで勝負しようと思っていました」
勝負どころで「一番、自信があった」ストレートをチョイス
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
緩いボールを効果的に使う一方、しびれる場面ではサインに首を振り「きょうの中で一番、自信があるボール」とストレート勝負を選択した。四回2死満塁のピンチは、村林の内角をズドンと突き、見逃し三振。二回以降は絶妙な駆け引きでアウトを積み上げ、スコアボードに「0」を刻んだ。
にじませたエースの責任感 「もう少し長いイニングを」
剛柔一体のピッチングを展開し「走者がいることが多かったので探り探りではあったけど、崩れることなく、なんとか六回まで投げられた。欲を言えば、きのうは結構みんな投げていたので、もう少し長いニングを投げたかった」と責任感を言葉に変えた。
苦しい時こそエースの出番
プロ4年目。大黒柱の自覚は日を追うごとに強くなる。入団から3年間Bクラスに甘んじた経験を踏まえ、交流戦明けからオールスターまでの期間を、シーズンのヤマ場とにらんでいる。
「移動が多くなって、選手みんなの疲れが一番たまる時期。僕自身は5月に疲れて、今また(状態が)上がってきている。なんとか長いイニングを投げてチームに貢献できたら。体はピンピンしているので、行けと言われたらナンボでも行くつもりです」
左腕につないだ連勝へのバトン
3万超の観衆を魅了した108球の熱投には、エースの矜持(きょうじ)が詰まっていた。連敗ストップの立役者は「あしたは大エースが9回投げてくれると思います」。加藤貴に連勝を託し、屈託のない笑顔を浮かべた。