コンサドーレ
《河合CRC竜の眼》 深井 チーム背負う選手になれ
北海道コンサドーレ札幌の河合竜二CRC(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン、43)が赤黒戦士の魅力に迫る連載企画。今回はMF深井一希(26)に注目する。幾多の大けがを乗り越えてピッチに立ち続ける不屈の男のすごみとは。
戦術眼優れた日本でも別格のボランチ
今季はけがに苦しんだ印象だが、試合に出れば、やはりチームに安定感をもたらしてくれる。
ディフェンス面では読みが鋭く、フィジカルコンタクトが強い。ボールを奪い取る能力は札幌の選手の中でトップクラスで、体をぶつけながらマイボールにできる。MF高嶺やMF荒野とは違ったボールの奪い方ができる選手だ。
さばきの面では、目立つプレーをするわけではないが、組み立ての上で効果的なパス、気の利いたパスを供給している。“急ぎすぎない”深井が入ることで、攻撃にリズムが生まれている。
「縦に速く」はチームとしての狙いだが、待ち構えている相手に対し、その中でも意味のある横パスでスペースを広げられる。
サッカーIQは昔から高い。ユースの時から見ているが、ポテンシャルは相当なものをもっている。「けががなければ」とはよく言うが、けががあっても深井の能力は一切落ちていない。
けがから、はい上がった選手として、周りに力を与える存在。けがとうまく付き合った。本当にかっこいい男だと思う。シャイだけど、実は結構おしゃべりで、そういうところも彼の魅力。
アカデミー出身でクラブとしても大切な選手。何人かキャプテン候補がいる中で、深井もそのうちの一人。チームを背負う選手になってほしい。まだ日本代表も目指せる年齢。あれだけ戦術眼の高い落ち着きあるボランチは、日本中を見渡してもなかなかいない。
(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン)