ファイターズ
《ハム番24時》6月26日
2軍の今川優馬(27)の元にひんぱんにLINEが届く。送り主は東海大札幌の前監督・日下部憲和さん(72)だ。2022年に監督を退任。現在は大学野球部の顧問を務める。東海大系列の中学・高校を含め監督、部長として46年間の指導者生活を送ってきた。多くの教え子がいる中で一番気になる存在が今川だ。
「誰もプロに行くとは思わなかった。高校時代から知っている人たちも、あそこまで伸びるとは思わなかった」と振り返る。
野球が好きで「とにかく一生懸命。暇さえあれば練習していましたよ」。成果は大学4年に出た。春と秋のリーグ戦20試合で9本塁打を放った。プロ入りを希望。その年のドラフトに期待したが、指名漏れした。当人はショックだったが、めげなかった。社会人のJFE東日本入り。2019年の都市対抗で初優勝に貢献、若獅子賞を受賞した。2020年のドラフトでファイターズに6位指名され、念願のプロ選手になった。
「なかなか指名されず、2年前のことがチラついた。でも指名されたときは、うれしかったですね。自分のことのように喜んだ」という。
LINEには、激励の言葉や、大学キャンパスやグラウンドなどの風景写真が送られてくる。今川は「癒やされます」とにっこり。日下部さんは「ひたむきな姿がたまらなかった。1軍に戻って活躍してほしい」と目を細めた。