伏見寅威がもたらした〝トライ効果〟 10日間の2軍調整で若手に好影響
17日に1軍登録抹消 ベテラン捕手が鎌ケ谷へ
日本ハムの伏見寅威捕手(34)が28日のソフトバンク戦(エスコのンフィールド北海道)から1軍に復帰した。17日に出場選手登録を抹消され、ファームで調整。経験豊富なベテラン女房役が、若い選手たちにもたらした〝トライ効果〟とは―。
新庄監督の命も受けて
伏見にとって、日本ハム移籍2年目で初めてとなる2軍生活。打撃感覚の回復と、新庄監督からは「ファームのピッチャーのテンポを良くしてほしい」と投手陣の底上げを期待されていた。
稲葉2軍監督も絶賛 「ピッチャーにとって大きかった」
2軍では4試合でスタメンマスクをかぶり、バーヘイゲン、細野らを好リードした。28日に再昇格することが決まっており、わずか10日間だったが、稲葉2軍監督は「寅威、効果ね。ピッチャーにとって大きかったよね」と明かす。
高卒3年目のドラ1右腕も感謝しきり
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23日の2軍DeNA戦(横須賀)では、高卒3年目の達と初めてコンビを組んだ。92球と少ない球数で、8回1安打無失点。自己最長イニングを投げた右腕は「投げやすかったです。ブルペンで(ボールを)受けてもらったことはあったんですけど、試合では初めてだったので、いつもより多めに話させてもらいました。自分のやりたいことも伝えて、伏見さんなりにいろいろ解釈してもらって、いいピッチングができました」。将来性豊かな20歳の可能性を最大限に引き出した。
金子2軍投手コーチも意義を語る
オリックス時代のチームメートでもある金子千尋2軍投手コーチは、こう証言する。
「2軍でもいろんな選手と話してくれていましたね。1軍で経験しているキャッチャーに言われるのは若いピッチャーはありがたいと思います」。積極的にコミュニケーションを取ってくれたことに、感謝していた。
オリックス時代から捕手としての能力を高評価
現役時代、バッテリーを組む機会は少なかったという。だが、捕手として高い能力を感じていた。
「やっぱりキャッチャーって感じですね。もちろん自分がこうしてほしいというのがあると思うんですけど、こうするためにピッチャーをどういうふうにリードしたらいいか考えられるタイプ」。投手に寄り添い、献身的にリードする伏見を見てきた。
ベンチでの言動にも感銘
久しぶりに間近で接し、ベンチでの立ち振る舞いも印象に残った。
「試合中にかける言葉とか。ただ大声を出すわけではなく、寅威は言葉選びとか上手だなと思います。元気も大事なんですけど、ただ声を出しているわけではない。声を出すタイミング、かける言葉とかですね」。よく通る声で、捕手ならではの声かけを実践していた。
何事にも前向きに取り組む背番号23の姿は、多くの選手に良い影響を与えただろう。