《岩本勉のガン流F論》キャッチャーの責任にするピッチャーなんて、ろくなヤツじゃない!
■パ・リーグ9回戦 ソフトバンク7ー1日本ハム(6月29日、エスコンフィールド北海道)
再認識すべき大胆さと大ざっぱの違い
先発した伊藤が6回7失点(自責点4)。守備の乱れが影響しての失点もあったにせよ、言いたいことは1つしかない。いま一度、大胆さと大ざっぱの違いを認識してもらいたい。ストレートは強い。変化球もキレている。気持ちも全面に出ていたのだから。
ほんの少しの気配りで変わる投球内容
スコアブックを見返すと、一目瞭然だろう。本人が一番、分かっているはずだ。「ここは、ざっくり投げてしまった」と後悔するシーンがあるはずだ。ボール自体は悪くない。前回も勝ち星を手にしている。その前はマダックスで完封勝利を飾った。ほんの少しの気配りで内容はガラリと変わる。
試練を迎えている田宮 一人で抱え込むんやないで!
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今、試練の時を迎えているのが田宮だろう。ここ最近、投手陣の失点が増えている。リード面で頭がクシャクシャになっていることで、バッティングにも悪影響が出ている。そんな田宮にも一言、発したい。ピッチングは共同作業。抱え込むんやないで!
責任のすべてはピッチャーにあり
キャッチャーが悪い! なんてことは決してない。サインに首を振るのはピッチャー。そう、決めるのは投手。最後は投手の責任だ。バッターの苦手を突くリード。そしてピッチャーの良さを引き出すインサイドワーク。1、2、3…と考えを巡らせて、それでもピッチャーが首を振ったなら「じゃあ、何を投げたいの?」と。それぐらい開き直っていい。
1安打完封で謝られた1996年9月のオリックス戦
打たれたのをキャッチャーの責任にする投手なんて、ろくなヤツじゃない。私も現役時代、よく捕手の先輩方に言ったものだ。「打たれたのは僕。悪いのは僕ですよ」と。ただ、気の良い先輩方ばかりだった。1996年9月11日のオリックス戦。私は9回1安打完封勝利を飾ることができた。試合直後、女房役を務めてくれた山下さんが言ったのは「ゴメン、ガンちゃん。1本打たれちゃった」。何を謝ることがあろうか。チェンジアップを選択し、ヒットにされたのは自分なのだ。
あと1球でプロ初完封が… ここでも女房役から
プロ初完封まで、あと1球と追い込んでから、最後に逆転サヨナラ3ランを食らったのは96年6月25日のオリックス戦。その時もそうだった。捕手の田口さんに、謝られた。首を縦にも横にも、振るのはピッチャー。何度も言わせてもらう。捕手のせいにするピッチャーなど、認めない。
乗り越えてこそ成長 今が頑張り時やで!
ただ、田宮は今、乗り越えなければいけない壁にぶち当たっている。相手打線を洗い直し、投手陣それぞれの良さを再び確認してもらいたい。まだまだ伸びる。今が頑張り時やで!