高校野球
2024/06/29 21:50

苫小牧工業が10年ぶりの円山へ OB平山監督は男泣き「今年は苫工の年にしたい」【南大会室蘭】

1点差に追い上げた五回2死一、三塁で苫小牧工業の桑村が逆転の2点三塁打を放つ=撮影・西川薫

■全国高校野球選手権南北海道大会室蘭支部(6月29日、苫小牧・とましんスタジアム)
▽Bブロック代表決定戦 室蘭栄3-8苫小牧工業

先発の桑村が自ら逆転打

 苫小牧工業が3点のビハインドを五回の一挙6得点で逆転し、10年ぶり29度目の南北海道大会進出を決めた。公式戦初先発の桑村琉矢投手(3年)は三回途中3失点で右翼に回ったが、味方打線が五回に1点差に追い付いてなお2死一、三塁の場面では自らのバットで逆転2点三塁打を放ち、勝利に貢献した。同校OBで2016年4月に就任した平山良行監督(49)にとっては、甲子園が懸かる夏秋の全道は初めての出場となる。

公式戦初先発となった苫小牧工業の桑村

 

就任後、春は準優勝も夏秋は初

 OBたちにとっては気の遠くなるような10年だったかもしれない。だが、ようやくたどり着いた。1923年創部の古豪。72年に春夏連続で甲子園に出場するなど、通算6度の出場を誇る。平山監督就任後は19年春に全道準優勝に輝いたことはあるが、甲子園ロードで勝てたの喜びは別格だ。「校歌の時はちょっと涙が出ました」と感情があふれた。

 「苦しかったですね。室蘭支部の壁の厚さというか、強豪ひしめくここを勝ち抜くことに長い時間がかかった。応援していただいた方々に大変申し訳ないなっていう気持ちで毎年終わっていたんですけど、今日こうやって勝てた。室蘭栄も59年ぶりの(南大会へ)思いもありますし、こっちも負けられない思いもあります。何とか10年ぶりに出られるので、OBも喜んでくれるかな」。試合後は喜びに沸くスタンドへ少し誇らしげにあいさつした。

親子二代で4番を務める桑村らOBの息子たちが活躍

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