浦河が2試合連続タイブレーク制して10年ぶり南大会出場つかむ【南大会室蘭】
■全国高校野球選手権南北海道大会室蘭支部(6月29、苫小牧・とましんスタジアム)
▽Cブロック代表決定戦 浦河10-5鵡川 ※延長十一回タイブレーク
4強入った2014年以来3度目
2試合連続のタイブレークを制した浦河が、4強入りした2014年以来3度目の南北海道大会出場を手にした。エース・佐々木宝投手(3年)が5失点(自責3)も延長十一回を最後まで投げきり、バットでも六回に同点二塁打を放つなど、劇的勝利に貢献した。
最終回はミスを取り返す気持ち
2時間31分の死闘を制した。支部1回戦から3試合連続先発の佐々木は「率直に嬉しい」と笑顔が弾けた。被安打8に6四球と制球が乱れ5失点も自責は3点。「自分の心の弱さからフォアボールを出した。ちょっと打たれてしまったけど、最終回はそのミスを取り返すぞって気持ち」とエースらしくマウンドに立ち続けた。
10年前の快進撃を当時エースの祖父から伝え聞いて…
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10年前、同校が快進撃した時はまだ小学2年生。実家の隣には、当時の2年生エースだった菊地悠也投手とその兄で3年の奨悟中堅手の祖父が住んでおり、佐々木も伝え聞いていた。「噂は何となく聞いてました。いろんな人からも聞いて、それが刺激になってます」。この日も一塁側ベンチの上方にある芝生席には大応援団が詰めかけた。
前の試合と勢い変わらなかった
阿部健太監督(35)は就任7年目で3季通じてうれしい初の支部突破。「前の試合も、ああいうことをやってくれてるので、結果を出してくれるっていうか、誰一人あれで落ち込まなかったというか、いける、いけるっていうのは変わらなかったので、エース佐々木とキャプテン谷口を中心に粘り続けて、よくやってくれた」と涙ぐんだ。札幌第一高出身。母校は翌30日に代表決定戦を迎えるが「円山の開会式で菊池監督と一緒に並びたいですね」と、これ以上ないエールを送った。
強豪・北海選ばず今までの仲間と
佐々木は中学時代は日高シニアでプレー。今春の選抜甲子園に出場した北海の幌村魅影遊撃手(3年)や、谷川凌駕二塁手(3年)は元チームメートだ。「強いところでやりたい気持ちもあったけど、いままで過ごしてきた仲間と野球をやって、全道の舞台に立ちたい」と地元に残ることを決心。目標としていた全道出場はクリアした。「ちょっと欲張りになっちゃうかもしれないけど、ここまできたら甲子園」ときっぱり。10年ぶりに太平洋を望む港町が、高校野球で活気づく。