札幌光星エース粕谷が2戦連続完封勝利 甲子園で京都国際の球友と再会だ【南大会札幌】
■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部(6月30日、札幌円山ほか)
▽Aブロック代表決定戦 札幌南0-7札幌光星 ※七回コールドゲーム
開校90周年を迎える札幌光星が、この夏エースナンバーを手に入れた粕谷脩真投手(3年)の2試合連続完封勝利で2年連続18度目の代表切符を手に入れた。粕谷は7回を投げ被安打1、7奪三振。支部1回戦から全て投げきり、3戦完投勝利を果たした。中学時代は、硬式の北広島シニアでエースを務め、今春の甲子園に出場した京都国際の澤田遥斗中堅手(3年)、髙岸栄太郎一塁手(3年)とは元チームメート。一足先に聖地に足を踏み入れた仲間に追い付くため、南北海道大会でも快投を誓う。
三塁踏ませぬ好投 7回1安打、7奪三振
全校応援を力に変え、エースがスコアボードに「0」を並べた。右斜め上から繰り出される140キロ前後の速球と、スライダー、チェンジアップを駆使し凡打の山を築いた。三回と六回、先頭打者の出塁を許し、得点圏に走者を進めたが、バックの守備にも助けられ三塁を踏ませない、ほぼ完璧な投球内容。「すごく人が多いし、緊張感もあって、いいステージだなと思いながら、楽しみながら投げた」。雰囲気を楽しむ余裕が頼もしかった。
今夏3戦全て完投、わずか2失点
無失点イニングは、6月23日の1回戦札幌静修戦の六回から連続18イニング。夏は合計23イニングを投げ、わずか2失点。「真っすぐは前回の方が良かったかな。その分、変化球でカウントや空振りを取りにいく配球の組み立てでいった。変化球はすごくキレたのでよかった」。球速が同程度のスライダーとシンカー気味のチェンジアップの組み合わせが抜群にはまった。
上手から横手投げ勧められ抵抗感…
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元々はオーソドックスな上手投げで、合坂真吾監督(47)は「去年は3番手、4番手ぐらい」の評価。オフに入る直前、指揮官から横手投げへの転向を打診されたが、当初は抵抗があった。粕谷は「球速をメインに頑張っていきたいと思っていたので、最初はすごく嫌な、あまりプラスでは考えてなかったです。球速も全然上がんなかった」。ところが、腕の位置を少しずつ上げていくにつれて「自分の腰の回転とマッチしてきたのを感じてから、プラスに考えて前向きに捉えるようになりました」。2月末には、今の腕の高さに落ちついた。
フォーム改造し球速が急激アップ
さらに、中学まで2段モーションだったが、今季から高校でも解禁になってすぐにフォーム改造に着手。「すぐ足を上げて体重移動するのがすごく苦手で、一回、間を止めてからの方が、ぐっと一気に力を出せる感覚がある」。春を迎えると「球速が一気に上がりました」。上手投げ時代の132キロから140キロに到達。準決勝で、さらに1キロ更新した。効果はそれだけではない。「横にした分、スライダーのキレと変化量が大きくなった」と、思わぬ副産物も手に入れた。
グラウンドの人工芝工事で練習場所がない!!
南北海道大会は7月11日に開幕するが、13日の学校祭が終わると、周年事業の一環でグラウンドの人工芝化工事が始まる。練習場所の確保が急務だ。合坂監督は「ほんと困ってます。今日から考えます。ほんとに決まってないんです」。苦笑いを浮かべるしかなかった。
北広島シニア時代の盟友の活躍に刺激
かつての球友との対戦まで負けるわけにはいかない。京都国際のチームメート2人とは、いまも連絡を取り合う仲。6月2日まで行われた近畿大会で初優勝。ともに主軸として活躍した。「めちゃめちゃ活躍して、ほんとにすごいな」と、刺激になっている。昨夏の南北海道大会では11番でベンチ入りしたが登板機会はなかった。「市外の強い高校だって来ますし、札幌市内からも強いところが来ると思うので、より一層気を引き締めて、無駄な球がないようにしないと」。初めて挑む大舞台でも「0」行進を続ける。