コンサドーレ
2024/07/01 17:00

《元赤黒戦士の現在地・都倉賢前編》札幌の歴代最多得点記録を持つストライカーはJ3盛岡でさらなる成長目指し奮闘中

今シーズンからJ3盛岡でプレーしているFW都倉賢=©IWATE GRULLA MORIOKA

札幌在籍時に重ねたリーグ戦通算67得点

 かつて北海道コンサドーレ札幌で活躍したOBの現在と過去に迫る『元赤黒戦士の現在地』。今回は通算67得点という札幌のリーグ戦歴代最多得点を記録するなど、長きにわたってエースストライカーとして活躍し、現在はJ3いわてグルージャ盛岡に在籍しているFW都倉賢(38)を紹介する。前編では盛岡でプレーする現在について話を聞いた。(以下、敬称略)

父の日で38歳の誕生日に決勝ゴール

 6月16日、自身の38回目の誕生日に行われたホーム長野戦(3〇2)で、都倉は決勝点となるシーズン2得点目をゲット。父の日でもあったこの日は、札幌在籍時に誕生したまな娘がエスコートキッズを務めており、かっこいい父親の姿を娘の目前で披露したことも話題となった。かつて幾多の劇的ゴールで札幌サポーターを歓喜させてきたストライカーは、今も岩手の地で奮闘を続けている。

J2長崎を退団「まだまだやれる自信あった」

 「長崎が昨年で満了になって。僕自身、長崎の3年目はなかなか出場機会が無く、プレーとしてもチームに貢献できなかった」。都倉は契約満了に伴い、3年間在籍したJ2長崎を昨季限りで退団。だが「自分のコンディションだとか、プレーのクオリティーというのは全く落ちていなかった。長崎での序列は低かったが、それはあくまでも監督が選ぶこと。まだまだやれる自信があったのが、一番強かったですね」と語るように、サッカーに対する情熱は全く衰えることは無かった。

「客観的に世の中はどう見ているのか」

 燃えさかる情熱の炎を心にともす一方で、自身が置かれている状況も冷静に見ていた。「今年38歳になる人を客観的に世の中はどう見ているのか。試合も出ていないし、どういう状況なのかおそらく分からない。僕は僕のことを一番分かっているつもりなので、やる気もモチベーションもすごくある中で、周りが僕の現状をどう捉えているのかが分からなかった」。

やる気を発信すべくトライアウトに挑戦

 答えを問うべく、都倉が選択したのはトライアウトへの参加だった。「プレーでアピールするというより、都倉がトライアウトに出るという意気込みみたいなものを伝えたくて。プレーで示せる自信はもちろんあったので、世の中にやる気を発信するという部分で参加して、実際にそこでのプレーを見てくれた盛岡が声をかけてくれました」。JFLのチームからのオファーもあった中で、都倉は24年シーズンを盛岡の一員として戦うことを決断した。

自身初のJ3の舞台 初心に返った

あわせて読みたい