《鶴岡慎也のツルのひと声》ブルペンをピリッと引き締めた百戦錬磨の左腕
■パ・リーグ10回戦 ソフトバンク10ー3日本ハム(6月30日、エスコンフィールド北海道)
日本一のバッターに仕事をさせてしまった3連戦
ホークスの強さが際立った。この3連戦、キーマンとなったのは近藤。チームとして攻め方を徹底できていなかったように感じた。相手は日本一と言っても過言ではないバッターだ。これでもか―というぐらい、インコースを攻め続け、ポイントを前にさせなければ、崩すことはできない。
まだ半分を残しているペナントレース
それでも打たれることはあるのだが、見たかったのはチーム一丸となってポイントゲッターを封じ込めにいく姿勢だ。ホークスは今、勢いに乗っている。プロである以上は、仕方ないで済ませたくはない。だが、ペナントレースはまだ半分を残している。ここは切り替えるしかない。
確実に役割を果たしたベテラン左腕
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そんな中でも、プラスなシーンはあった。0―2とされた六回、なおも2死一、二塁で宮西がリリーフ登板した。表情を見る限り、急きょ巡ってきたマウンドだったはずだ。それでも川瀬を見逃し三振に封じ、自身の仕事を全うした。
難しい配置転換にも順応
彼の役割は今、以前までとは異なる。勝ちパターンではなく、今回のようなワンポイントが主となっている。だからこそ、難しい。これまでと違い、「ここで投げてくれ」という目安がない。年齢的にも肩ができるまで今まで以上の時間を要するようになったはずだ。
それぞれの持ち場で結果を出すのがプロ
それでもしっかりと結果を出したことに意義がある。実績十分の宮西でも、与えられる役割は変わる。誰もが自身の持ち場で答えを出さなくてはいけない。それを、より明確なものにした。ブルペンをピリッと引き締めたことだろう。
杉浦の特長は縦のライン
杉浦は1アウトも取れず、4失点(自責点3)してしまった。彼の特長は縦のライン。いま一度、直球とフォークを軸としたピッチングを意識してもらいたい。横変化のカットボールばかり投げていると、体の使い方が安定しないことがある。ただ、今季はこれまでしっかりと結果を残してきた。1年間は長い。こういう時もある。割り切りも必要だ。
レイエスの一発は光 大事になる次カード
レイエスに一発が出たのも明るい材料だ。流れを変える意味でも、次カードのロッテ3連戦は大事になってくる。