札幌日大高143キロ左腕・小熊梓龍 昨秋全道準V・東海大札幌高ねじ伏せた【南大会札幌】
■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部(6月30日、札幌円山ほか)
▽Bブロック代表決定戦 東海大札幌高2-9札幌日大高 ※七回コールドゲーム
札幌日大高が昨秋の全道準V校・東海大札幌高を七回コールドゲームで下し、4年連続17度目の南北海道大会出場を決めた。プロ注目の143キロ左腕・小熊梓龍投手(3年)が2失点完投勝利。南北海道大会では、過去3度準優勝の苦い思い出を、今度こそ塗り替える。
バックネット裏に巨人スカウトら
巨人のスカウトらがバックネット裏から熱視線を送る中、小熊がキレのあるスライダーで東海大札幌高の強力打線を翻弄。森本琢朗監督(43)は「小熊は全てにおいて上がってる。球速とかは目立たないが、ゲームを作る能力だったり、なにか物足りないように見えるが、勝つピッチャーになってきている」と頷いた。
女房役の高橋がバットでもエース援護
2年春から公式戦でバッテリーを組む、女房役の6番・高橋諒太捕手(3年)がバットでもエースをもり立てた。三回、先制点を奪い、なお2死二、三塁から右翼戦へ2点三塁打。「仲間のために、というのを一番心がけていた」。三塁到達後、ベンチに向かって吠えた。
あうんの呼吸 バッテリー間に絶対の信頼
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
あうんの呼吸だ。高橋は「2年生の時は結構会話することが多かったが、会話しなくてもこれ投げたいんだろうな、と分かるようになってきた」。エースも「ずっとやってるんで、配球とか信頼している。変化球を低めに投げても、しっかり止めてくれるので、絶対的な信頼がある」。バッテリーを組んでから、小熊が高橋のサインに首を振ったことは一度もない。ピンチでも動じない信頼。それが一番の強みだ。
精神面で成長 森本監督も高評価
森本監督も高橋の成長に目を細める。「バッティングが、どうしても好きな子で。打てなかった時に、守りに切り替えて点数を与えないことがキャッチャーとして、またチームの主力選手として大事なんだ、ということを、だいぶ分かってきてくれた」。精神面での成長が深い信頼につながっている。
常に立ちはだかる北海を意識
南北海道大会決勝に進んだ前々回の2016年、そして前回2021年と連続して北海に苦杯をなめた。小熊らの入学後は、22年秋の全道、23年春の全道、秋の札幌支部と常に北海が立ちはだかってきた。小熊は北海に2連敗中。「負けた後の悔しさを持って、次は絶対勝つ、という気持ちで、常に練習からプレッシャーをかけて、チームとしてやっている」。甲子園にたどり着くには、どこと当たっても蹴散らすだけ。その時こそ、積もりに積もった悔しさを白球に込めて高橋のミット目がけて放り込む。