上川畑大悟 球宴初選出〝御礼弾〟&好守と躍動「この7月の頭、チームとして勝ちたかった」
■パ・リーグ13回戦 ロッテ3-8日本ハム(7月2日、エスコンフィールド北海道)
50周年限定ユニで7月最高の船出
これぞ、球宴選手の輝きだ―。日本ハムの上川畑大悟内野手(27)が「8番・遊撃」で先発出場し、今季1号2ランを含む2安打3打点を記録した。試合前には球宴ファン投票の二塁手部門で初選出されたことが発表された。その開催地のエスコンで〝御礼弾〟を放ち、持ち前の守備で好守を見せるなど、オールスター選手として躍動した。また、この日から着用した「ファイターズ50周年シリーズ」限定ユニホームで快勝し、チームとしても7月は最高の船出となった。
普段クールな男が雄叫びを上げた
虎視眈々と狙いを定めていた。1点リードの五回1死二塁。上川畑は2ボールから142キロ直球を一閃。打球は勢いよく右翼ブルペンに着弾した。一塁を回ったところで打球の行方を確認すると、普段クールな男が雄叫びを上げた。2022年6月29日西武戦(ベルーナ)以来となる約2年ぶりの一発に「何とかこの7月の頭、チームとして勝ちたかったので、その大事な場面で追加点が取れたっていうところの雄叫びだと思います」と気持ちを乗せた一振りだった。
お立ち台でファンに感謝 「本当に情けない成績なんですけど…」
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ファン投票で球宴に選出されての初の試合だっただけに、ふがいない姿を見せるわけにはいかなかった。八回にも中堅へのダメ押し適時打をマークし〝チームの顔〟としての面目を保った。お立ち台上では「本当に情けない成績なんですけど、それでもファンの方々が投票してくれたおかげでオールスターに選ばれることができました。本当にありがとうございます」と感謝を口にした。
守備でも郡司との連係でキラリ
得意の守備でも見せた。2点リードの六回1死満塁。ロッテ・藤原の放った三遊間寄りのゴロを捕球すると、すかさず三塁に転送して二塁走者を封殺。1点こそ失ったが、一つのアウトを奪って逆転の芽を摘んだ。「あれは頭には入っていたので、あそこに飛んだときにはサードっていうのは郡司とは話していました」という。「あそこしかアウトに取れないので、戻ってなくても投げようと思っていた」と笑いながら「戻ってくれました」と、見事な連係で相手の勢いを断ち切った。
昨年の反省から今季は調整に工夫
勝負の夏場。コンディション面も重要な要素となるが、上川畑は「出力が落ちないようにはやっていきたい」とキッパリ。というのも、昨年はコンディションを意識し過ぎて結果につながらなかったからだ。体のケアはもちろん行うが、それ以上に「やれるところはしっかり練習する」と体のキレを落とさないようにして、暑い夏を乗り越えるつもりだ。
いろんな歴史を改めて感じた
6月は打率.208と調子を落としていたが、同30日のソフトバンク戦(エスコン)では今季2度目の猛打賞を記録するなど、上昇の兆しを見せた。上川畑も「前の3安打のときから何となく良い感じのところが出てきている」と手応えを感じている。「ファイターズ50周年シリーズ」初戦で快勝。「いろんな歴史を改めて感じましたし、感謝の気持ちを忘れずにこのユニホームを着て、7月は勝っていきたいなと思います」 。偉大な先輩方に吉報を届けるためにも、この7月は反攻の月とする。