鹿島戦でのチーム5試合ぶりゴールへ 札幌MF田中克幸「ボールを受けて、どれだけ違いが出せるか」
■7月3日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
得点力不足の打破に意気込む
北海道コンサドーレ札幌は6日のアウェー鹿島戦(カシマ)に向け、11対11のミニゲームなどで調整した。現在リーグ戦7連敗中の札幌だが、特に直近の4試合ではゴールを挙げられておらず、深刻な得点力不足に陥っている。そんな苦しい状況を、持ち前の高い攻撃的センスで打破しようと意気込んでいるのが、大卒ルーキーのMF田中克幸(22)だ。
先月、プロ初のリーグ戦先発
合計8試合もの公式戦が行われた6月、田中克は先発3試合を含む全試合に出場。同26日のアウェーFC東京戦(0●1)では、プロ入り後初めてリーグ戦のスターティングメンバーに名を連ねた。現在のコンディションについて「徐々に上がってきているかなとは思います。ルヴァン杯とか天皇杯で長い時間プレーすることで体も上がってきた」と実感する。
U-18との練習試合でゴールも
前節のホーム新潟戦(0●1)では後半25分からの途中出場となったが、その翌日に行われた札幌U-18との練習試合では、ループ気味のミドルシュートを放って相手のゴールネットを揺らした。「高校生相手ですし、やって当たり前だと思っている。逆にもっとできた部分もあるので、そこを次に生かせていけたらいい」と、好調を維持したまま次戦を迎るつもりだ。
「力の差をすごく感じた。正直あのままだったら…」
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鹿島相手には現在7試合勝ちなしで、かつ3連敗中。その上、直近の4試合ではゴールを奪うこともできていないなど、非常に相性が悪い。前半戦で激突した5月25日のホームゲームでも、倍近いシュートを浴びて0-3での敗戦を喫している。同戦に後半17分から途中出場した田中克は「力の差というものをすごく感じました。個人のクオリティーにしても、チームとしてやることが徹底されているところにしても、個人、チームとしてすごく差を感じる部分が多くて、正直あのままだったら何試合しても勝てない相手」と、悔しい思いを感じた一戦を振り返る。
死ぬ気で持ってる以上のもの出す
そこから約1カ月半後に迎えるリターンマッチ。「短い期間でどのぐらい修正できているかというのを、ピッチの中でどれだけ自分たちがやれるかだと思う。死ぬ気で、今持っている以上のものを出さないとたぶん勝てないと思いますし、そう簡単な相手ではないのもみんな分かっていると思う。100%のパフォーマンスをみんなが出せるようにやれれば勝てるんじゃないかと思うので、そこは一人一人がサボることなく、チームとしてやれればいい」と、覚悟を持って敵地での戦いに臨もうとしている。
より強い覚悟と責任を持って
リーグ戦、対鹿島、共に5試合ぶりとなる得点を狙うチームにとって、田中克の左足は大きな武器となる。「僕はボールを受けてなんぼの選手。そこでどれだけ違いが出せるかとか、ボールを受ける前にどれぐらい周りの状況を把握して仕事ができるか。プレー時間が長いにせよ、短いにせよ、僕がやれることはそこで違いをつくって得点を生み出すことだったり、自分が決めることだと思うので、より強い覚悟を持って、自分が責任を持って点を取らせられるようにやりたい」。
5月22日に行われたルヴァン杯アウェー長野戦(1△1、PK戦5〇3)で、敗色濃厚だった後半アディショナルタイム6分に生まれたDF家泉怜依(24)の同点ゴールは、田中克のミドルシュートから生まれたもの。再び自身がきっかけとなって、チームの窮地を救うゴールを見せたいところだ。
岡田のリーグ戦デビューに刺激
同期の大卒ルーキーDF岡田大和(23)も前節の新潟戦でリーグ戦デビューを達成。同学年コンビが悩めるチームを活性化することに期待が掛かる。「日々の積み重ねというのが自ずと今後評価されていくと思う。限られた時間でのプレーや、日々の練習で自分たちが見せていくことで、(監督の)見る目も変わってくるんじゃないかと思うので、自分たちがどの立場でも引っ張っていけるようにやれればいい」。ルーキーという立場に甘えることなく、チームの主力の座を常にうかがう田中克が、鹿島戦での活躍を足掛かりに一気にスタメン定着を成し遂げる。