札幌FW菅大輝が鹿島から点取る! 2年前に同舞台で右足〝菅キャノン〟(予想スタメン付き)
■7月5日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は6日のアウェー鹿島戦(カシマ、午後6時キックオフ)に向けて、11対11やセットプレー練習などで最終調整。練習終了後、遠征メンバーは敵地に向かった。4試合連続で無得点が続く札幌だが、苦しい状況の中でゴールに迫るプレーを披露し続けているのがFW菅大輝(25)だ。2年前に菅が決めて以来こじ開けることができていない鹿島ゴールを、今度こそ突き破る。
4点ビハインドの場面で意地のミドルシュート
2022年5月14日に、今回の試合の舞台でもあるカシマスタジアムで行われた鹿島戦(1●4)。4点差という大きなビハインドを背負っていた中で、後半24分に左サイドでボールを受けた菅は中央へカットインすると、ペナルティーエリア手前から利き足とは逆の右足を一閃。糸を引くようなミドルシュートをゴールに突き刺し、鹿島相手に札幌の意地を見せた。
J1クラブの中でも屈指の相性の悪さ
だがここから札幌は鹿島戦での暗く長いトンネルに入り込む。このシーズン後半戦のホームゲームではスコアレスドローで勝ち点1を得たものの、翌23年はシーズンダブルを喫し、札幌ドームで行われた今季前半戦の対戦でも3点を奪われてなすすべなく大敗。現時点で鹿島相手には7試合勝ち無しで3連敗中、しかも前述の菅のゴール以来2年間、計381分間にわたりノーゴールが続いている。J1クラブの中でも特に相性が悪い相手と言える。菅も「(チームとして)守備を固められた相手に、苦手意識というのがあるのかなと思っている」と、強く警戒している。
最も得点の匂いを漂わせている男
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そんなトンネルを突き破り、出口をつくり出す働きが期待されるのが菅だ。6月9日のルヴァン杯プレーオフラウンド第2戦アウェー富山戦(2〇1)の前半終了間際に右足首を捻挫し、ハーフタイムでピッチを退くも、持ち前の頑強さを発揮して、わずか1試合の欠場のみで早々に戦線復帰。同26日のアウェーFC東京戦(0●1)では、相手GKの好セーブに阻まれたものの、惜しい枠内シュートを3本放った。続く同29日のホーム新潟戦(0●1)でも、前半40分に左サイドからのグラウンダーのクロスでDF家泉怜依(24)の決定的なシュートシーンを演出。現在リーグ戦4試合連続無得点と苦しむチームの中で、最も得点の匂いを漂わせている選手と言っても過言ではないだろう。「まだまだな部分しかないですけど、攻撃に絡んでいくというのを意識的にやっているところはある」と、攻撃への意識を強く抱いている菅が、自身の一撃以来止まっているゴールという名の時計の針を、今度こそ動かしてみせる。
「まずはシュートの意識が大事」
鹿島戦、リーグ戦と、共に4試合続いている無得点試合にストップをかけるためには、DF植田直通(29)とDF関川郁万(23)という、強力な2人のCBを中心とした鉄壁の鹿島守備陣を突き破る必要がある。一筋縄では行かない相手に対し「まずはシュートの意識というところが大事になってくる。シュートを撃つことによって空くところも空いてくると思うので、ゴールに向かうプレーを意識的にやっていきたい」と、自慢の〝菅キャノン〟によって活路を見いだすことを狙っている。
残留圏内まで危機的な勝ち点9差
今週水曜日には降格圏にいた鳥栖が横浜M相手に勝利し、残留圏内である17位に浮上。残留圏内までの勝ち点差は9に広がり、札幌はこれ以上の足踏みは許されない状況となりつつある。「一試合一試合、本当に一人一人が死ぬ気で戦うしかない。早く(残留圏内の)上のチームと勝ち点で並べるように、まずは次の試合で1勝を取って、勢いに乗れたら」。17年にプロ契約を結んでから常にJ1で戦い続けてきたアカデミー育ちの道産子レフティーが、クラブの窮地を救うべく敵地から大きな勝ち点3を持ち帰ってくる。