池田隆英が完璧な火消しで今季初ホールド 助けられた〝同級生〟の声かけと女房役のリード
■パ・リーグ10回戦 日本ハム4-1西武(7月9日、ベルーナドーム)
日本ハムの池田隆英投手(29)が9日、西武戦(ベルーナドーム)で完璧な火消しに成功。右肘痛で出遅れたリリーバーの魂のこもったピッチングが、延長戦での勝利を呼び込んだ。
気迫の投球でMVP級の活躍も
球団関係者から「今日のMVPだな」と声を掛けられると「自分はMVPではないです」と謙遜。「(山崎)福也さんに負けを付けられないと、全力で腕を振りました。チームが勝って良かったです」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
山崎から掛けられた言葉は「秘密」
今季3度目の登板は、しびれる場面で巡ってきた。1ー1の七回1死一塁、三塁のピンチを招いた先発の山崎に代わり、2番手でマウンドに上がった。気迫のこもったボールで野村大を力ない一邪飛に打ち取り、続く古賀は一ゴロ。真っ先にベンチ前で山崎に迎えられ、「(何て声を掛けられたかは)秘密です。ちょっと! という感じです」とはにかんだ。
二塁からは「細い目をいつもの2倍見開いて…」
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1点もあげられない場面。チームメートたちが、気持ちの高ぶりを落ち着かせてくれた。二塁から同学年・石井が、「細い目をいつもの2倍見開いて声を掛けてくれました。冗談ですけど(笑)」。冷静な状況判断の声掛けに、緊張がほぐれた。
伏見には全幅の信頼
リードするキャッチャーは、公私ともに仲が良い伏見。「寅威さんには浮いてしまう球や、甘く行ってしまう球があったので、リードの面でだいぶ悩ませてしまいました。しっかり引っ張ってもらいました」。全幅の信頼を寄せる女房役のミットめがけて、必死に腕を振った。
苦しいリハビリからの復帰
昨季はキャリアハイの51試合に登板し、チームトップの25ホールドと躍動。不動のセットアッパーとして期待されたが、2月キャンプ終盤に右肘を痛め、苦しいリハビリを経験した。7月2日に今季初登板を果たし、この日今季初ホールドをマーク。ブルペンに戻ってきた池田にとって、同学年の仲間の存在が励みになっている。
1994年組の結束
他球団から移籍してきた選手が多い1994年組だが、結束が固い。昨年7月に第1回が開催され、その後も定期的に同学年会を行っている。
投手陣は池田と田中正、生田目、斎藤、黒木の5人。クローザー、回またぎ、火消し、ビハインドでの登板と、それぞれ役割は違うが「みんなで力を合わせて、ポジションも関係なく腕を振っていく。みんなでカバーし合っています」と明かす。今年30歳の節目を迎える94年世代。一致団結し、チームを引っ張っていく。