DF大﨑のプレーは他の選手にとってもヒントになる《河合CRC竜の眼》
鹿島戦の内容は悪くなかった
今月6日のアウェー鹿島戦は0-2で敗れたが、キックオフ直後にMF小林の幻のゴールがあったように、試合の入り方としては悪くなかった。隙を突かれてのゴールで2得点を奪われたが、サッカーの内容としては良いゲームができていたと思う。
宮澤のように攻撃へアクセント
この試合ではDF大﨑がボランチとして加入後初先発を果たした。そのプレーぶりはすばらしかったのひと言に尽きる。今までMF宮澤ぐらいしかいなかった攻撃にアクセントをつける役割を担っていたし、改めてポテンシャルの高い選手だなと感じさせてくれた。
真ん中に縦パスを入れるシーンも何度か見られたが、相手の目線をずらしたり、体勢をずらしたりして間をつくっているからこそ、縦に入れることができる。大﨑のプレーは他の選手にとってもヒントになるものであったし、チームとして質を高めていくためには有効に活用していかなければならない。
ゲームを支配する選手がいてこそ
現在のサッカー界はフィジカル重視の風潮が強く、走れるインテンシティーの高い選手が求められているが、その一辺倒ではなく、大﨑や宮澤のような選手がいた上で、そこにフィジカル面に特長を持った選手が関わっていくチームこそが強いチームなのではないかと私は思っている。
選手の気迫が見られた守備
前半は鹿島にボールを持たれる時間帯が多かった中で、守備陣の奮闘には目を見張るものがあった。最後の最後でスライディングをして、何が何でも止めてやるという気持ちを出すことができていた。技術面はもちろんそうだが、ゴールを守る上ではそういう気迫の部分も大切である。
相手の守備もすばらしかった
前半45分のFW鈴木武蔵のシュートシーンについては、ゴールのカバーに入ったDF植田を褒めるしかない。武蔵に掛かる期待が大きいゆえ、厳しい意見を目にすることもあるが、あれは植田のプレーがすばらしかったとしか言い様がない。
失点シーンはマークがぼやけた 改善するには…
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後半16分に鹿島に先制を許してしまったが、マークがぼやけてしまい、隙が生まれてしまった格好だ。ゴールを決めたFW師岡を最初はDF中村がマークしていたが、中村としてはボールを持つFW鈴木優磨へ対応に行く際、師岡のマークをDF岡村に受け渡したという認識だったのだろうが、結果的には2人ともボールに行ってしまっていた。
こうならないためにも「(マークを)渡すぞ」という声をしっかり掛けないといけないし、岡村もボール保持者だけでなく、周囲をしっかりと見ておかなければならない。守備の人数はいるけどマークがぼやけてしまうという今シーズンを物語るような失点になってしまった。マンツーマンで守るならば、マークマンに責任を持って対応するという原則を改めて徹底してほしい。
プロの世界は同じミス許されない
同21分の追加点は鹿島のシュートもクロスもすばらしいものだった。ただ札幌側としてもやれることはあったはずで、MF田中宏武のポジション取りがあと1歩、2歩良かったら得点を決めたMF藤井にフリーで撃たせなかっただろう。田中宏はアウェーFC東京戦でも同様に対応が甘くなって決勝点を決められていた。プロの世界で生きていくなら、同じミスを繰り返さないように改善していかなければならないし、コーチ陣もしっかりと言ってあげてほしい。
反撃に出た札幌は再三チャンスをつくり出していたが、特にMF田中克幸のアイディアがすばらしかっただけに、岡村やMF青木の決定機は決めてほしかった。これでリーグ戦は5試合連続無得点となったが、ケガ人が多く、選手層が薄いところでの厳しさが出ているように感じる。
新加入カンはシャドーでの起用?
MFフランシス・カンの完全移籍加入が9日に発表された。まだ直接プレーを見ることはできていないが、映像を見る限りではシュートレンジの広いレフティーという印象で、スピードもありそうな面白そうなプレーヤーだ。個人的にはシャドーでの起用になるのではと予想している。しばらく試合から離れていたそうでコンディションがまだ十分ではないようだが、早く試合に絡んできてほしい。
岡村は神戸戦で大迫にリベンジを
13日にはホームで昨年のJ1王者・神戸と対戦する。前回対戦は強力攻撃陣の前に6失点を喫したが、岡村にはFW大迫を潰すことでリベンジを果たしてもらいたい。昨年チーム得点王のMF浅野もようやく戻ってきたそうなので、救世主となってチームを救う働きを期待したい。