大相撲
2021/11/28 15:38

一山本 27年ぶり道産子十両優勝へ勝って決める

12勝目を挙げ、勝ち名乗りを受ける一山本(撮影・藤井泰生)

 大相撲九州場所14日目は27日、福岡国際センターで行われた。来場所の幕内復帰を確実にしている西十両4枚目の一山本(28、岩内出身=二所ノ関)は東13枚目の朝乃若(26、高砂)を突き落としで下し、12勝2敗で単独トップを守った。きょう28日の千秋楽で勝つか、3敗の荒篤山が敗れれば、自身初の十両優勝が決まる。

薄氷の勝利で、初の十両優勝を大きく引き寄せた。一山本は立ち合いから両手で突くも、朝乃若を止められず、土俵際まで一気に後退。それでも右足を浮かし、左足は俵の上に残して相手を突き落とした。軍配は朝乃若に上がったが、物言いの末に行司差し違えで辛勝。内容は「もちろん0点」と反省しつつ、「いやー本当、ホッとしました」と安堵した。
 2敗で単独トップをキープし、きょう28日の千秋楽を迎える。状況は圧倒的に有利。自身が勝つか、ただ一人3敗の荒篤山が敗れた時点で、優勝が決定する。北海道出身力士では、1994年7月場所の立洸以来27年ぶりの快挙となる。
 見えない敵との戦いだ。優勝が現実味を帯びるにつれ、いつもと違う重圧がのしかかる。「優勝は考えないようにしているつもりですけど、支度部屋でテレビを見ると、自分の名前が出ちゃうので、ちょっとだけ意識しちゃいます」と苦笑いを浮かべた。
 それでも、やるべきことは一つ。「あしたは自分の相撲で勝てるように気持ちを切り替えて頑張りたい」。愚直に前に出る一山本の相撲で、栄冠をつかみ取ってみせる。

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