《岩本勉のガン流F論》エースとは… 石井貴に西口 松坂大輔 ジョニー黒木もそうだった
■パ・リーグ11回戦 ソフトバンク5ー4日本ハム(7月12日、エスコンフィールド北海道)
見応え十分の試合 大きかった野村のヒット
ものすごいゲーム。敗れはしたが、見応え十分の展開だった。中でも1軍に復帰してきた野村ジェイ。スタメンで5打席もらうことができた。その最後の5打席目。十一回に左翼線への二塁打を放った。得点には結び付かなかったが、チャンスをつくった。ノーヒットで終わるのとでは雲泥の差。大きな1本となった。
忘れてほしくない興奮
打席での姿もこれまでとは違っていた。迷いのない大胆なバッターがそこにはいた。間違いなく、早く次の打席も見たくなる存在だ。そして十回に一時同点となる本塁打を放った石井もそうだ。あの瞬間、本人も上気していた。今後も、その興奮を忘れないでもらいたい。
もつれた原因は先発ピッチャーにあり
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
激しい試合ではあった。だが、もつれにもつれたゲームとも言える。その原因をつくったのは先発ピッチャーだ。加藤貴が6回81球で降板した。最低でもあと1イニング。本音を言えば、八回までマウンドに立っていてほしかった。チーム事情の詳細は分からない。ただ、次戦からデーゲーム、デーゲームと続き、実に6連戦。少しでもリリーフの負担を減らしたいところだ。
レベルの高い加藤貴 だからこそ願う長いイニング
交代を告げられたならば、「何でですか?」「まだ行けます」と加藤貴には直訴してもらいたい。「6回80球」のレッテルを貼られてほしくはない。それだけレベルの高いピッチャーと思っているからこそ、切に願う。7回、8回を投げて当たり前。そう周囲に納得させるだけの投球を積み重ねてもらいたい。
ペナントレースを背負ってこそエース
時代は違うが、私は良くも悪くもずっとマウンドに立っていたいピッチャーだった。続投を志願したことも数え切れない。西武の石井貴に西口、松坂大輔、そしてロッテのジョニー黒木。みんなそうだった。エースの意地を持っていた。ペナントレースを背負ってこそエース。開幕投手を任せられるほどの加藤貴なのだ。ぜひ、そうなってもらいたい。投手が最後に手にする褒美とも言える称号。それがエースなのだから。