石井一成が同点二塁打 応援に駆け付けた〝勝利の女神〟に「これからも応援に来てもらいたいです」
■パ・リーグ12回戦 ソフトバンク2-3日本ハム(7月13日、エスコンフィールド北海道)
値千金の同点打 2日連続のおばあちゃん孝行
〝勝利の女神〟の力で逆転勝利を呼び込んだ。日本ハムの石井一成内野手(30)が「6番・二塁」で先発出場し、1点を追う八回に同点二塁打をマーク。次打者の上川畑大悟内野手(27)の勝ち越し打につなげ、逆転白星をもたらした。
12日から観戦に訪れている祖母の前で、同日は本塁打、この日は適時二塁打を放つなど、最高のおばあちゃん孝行を果たした。
無双状態の津森を攻略 狙っていた直球を捉えた
力強い直球を引っ張り込んだ。石井は1-2の八回1死一、二塁で、試合前まで29試合に登板し、防御率0.33と〝無双〟していたソフトバンクの津森と対峙(たいじ)した。
「真っすぐが速い投手。初球は変化球だったけど、とにかく真っすぐに負けないタイミングで」と、1ストライクからソフトバンク・津森の148キロ直球を強振。打球は右中間への適時二塁打となり、二塁ベース上で力強く両拳を握った。お立ち台でも「めちゃくちゃうれしかったです」と笑顔がはじけた。
守備でも貢献 周東の本塁生還を阻止
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守備でも先発のバーヘイゲンをもり立てた。五回には1死三塁のピンチを背負ったが、前進守備を敷いていた石井が二ゴロを処理し、すぐさま本塁に転送。ストライク送球で、この日3盗塁を決めた俊足の三走・周東を刺した。通常の前進守備より一歩前の〝周東シフト〟を敷き、さらにゴロにチャージをかける攻めた守備で追加点を阻止した。
「前に出ないと勝負できないと思った。あとは粘って捕ること。そして良いところに投げる意識で」と堅実な守備で流れを相手へ渡さなかった。
最高に心強い援軍 「これからも来てもらいたい」
地元の栃木から心強い援軍が駆け付けていた。12日から祖母がスタンドで見守っていた。ヒーローインタビューでは「勝利の女神ですし、これからも応援に来てもらいたいです」と〝おねだり〟した。
高校時代も大学時代も名物おばあちゃん
野球を始めた頃から欠かさず応援してくれていた。特に作新学院高、早稲田大時代にはよく応援にも訪れており、スタンドでは実家の石井米で作った特製塩むすびを配っていたという。「みんな知り合いになってしまう名物おばあちゃん。きょうもはしゃいでいたので、注意しておきます」と笑った。
勝率5割復帰まで1勝 「雰囲気がものすごくいい」
借金こそ、まだ完済できていないが、首位のソフトバンク相手に連日、接戦を演じるなど、チームの雰囲気は悪くない。森本外野守備走塁コーチや松本剛を筆頭にベンチからも声は出ている。
石井も「ベンチの雰囲気がものすごくいい。先制されても、すぐ追い付くぞって声が出ている。小さいことからしっかりやっていこうという声も出ている」と、うなずいた。まずは2カード連続の勝ち越しへ、目の前の若鷹軍団に粘り勝つ。