新たな仕事場で経験を積んでいるのは谷内内野守備走塁コーチだ。１０日の西武戦（ベルーナ）から森本外野守備走塁コーチに代わって、三塁コーチを務めている。これまで見たことのない角度からグラウンドに視線を送っているが「景色を楽しむ余裕はないです」と走者の動きをアシストすることに必死だ。

　１４日のソフトバンク戦（エスコン）でも七回１死二塁で伏見が右前打を放つと、迷うことなく右腕を大きく回して、貴重な追加点につなげた。試合の流れや相手選手の能力、ポジショニングの把握はもちろん、グラウンド状態など、気を配らなくてはいけない箇所は多く「新しい経験ですけど、チームの勝敗に関わるところなので、緊張感を持ってやっています」と気を引き締めた。

　現役時代も内野全ポジションを高いレベルで守るなど、ユーティリティープレーヤーとしてチームを支えた。指導者になっても多岐にわたる役割を遂行する万能ぶりはさすがの一言。今のうちに三塁コーチを務める谷内コーチの姿を、目に焼き付けておきたい。