《荒木大輔のズバリ解投》福島も田宮も今が頑張り時 私も敗戦処理が主だった1年目に多くを学んだ
■パ・リーグ11回戦 楽天16ー3日本ハム(7月15日、エスコンフィールド北海道)
9度目の先発マウンド 他球団は傾向を分析
福島が壁にぶち当たっている。190センチの長身から投げ下ろすストレートとフォークは大きな武器だ。だが、相手もプロ。傾向を分析し、しっかりと対策を練ってくる。今季、育成から支配下登録され、今回が9度目の先発マウンドとなった。データは揃っている。
制球力アップは急務 フォークの精度も上げるべき
となれば、アバウトなコントロールでは抑えることができない。フォークにしても完全な勝負球と言えるほど、決め切れていない。粘られて粘られて苦しい投球となってしまった。大谷翔平のような圧倒的なストレートがあれば別だが、やはりコントロールは重要。まだまだレベルアップが必要だ。
五回に手痛い3失点 甘かった状況判断
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状況を判断する能力も身に付けなければいけない。五回のマウンド。先頭の2番・中島にヒットを打たれた。中島の足を気にしすぎて打席の辰己に対して3ボール。クイック、クイックでカウンを悪くした末に右前にはじき返され、ピンチを広げてしまった。走られていいとは言わない。だが、走者の足よりも、よりバッターに集中すべきシーンは存在する。相手はクリーンアップ。しかも当たっている打者なのだ。結果的に、この回3点を奪われ、リードを広げられた。
立ち直りは評価できる まだまだ伸びしろのある投手
ただ、二回に4失点した後、三、四回といずれも3者凡退に抑えた。この立ち直りは見事。自信にしてもらいたい。支配下登録され、9試合目。ここまでの頑張りは評価できる。ここで一度、1軍選手登録を抹消される可能性もある。まだまだ伸びしろのある投手。さらなる成長に期待したい。制球力と状況判断がポイントだ。
失敗を次に生かせばいい
私も経験がある。プロ1年目はほとんど敗戦処理だった。そこで多くを学ぶことができた。失敗を次に生かせばいいのだ。高卒3年目。それが許される立場でもある。
大変な役回りの捕手 田宮も踏ん張りどころ
田宮も同様に、壁に当たっている。配球面にしても、守備の面にしてもそうだ。記録的に暴投となったシーンでも、捕手として止めなければいけない場面はあった。ディフェンス面でのミスを打席にも引きずっているように感じる。捕手は自分のことだけ考えていればいいわけじゃない。本当に大変な役回りだ。今、山田コーチとの反省会では、いい話がでてこないはずだ。ここが踏ん張りどころ。福島と同じく、乗り越えてもらいたい。