田宮裕涼 劇的サヨナラ打 悩める女房役に担当コーチがかけた言葉とは
■パ・リーグ12回戦 楽天4ー5日本ハム(7月16日、エスコンフィールド北海道)
やっとトンネルを抜けた! 11打席ぶりのヒット&殊勲打
日本ハムの田宮裕涼捕手(24)が16日、楽天戦(エスコンフィールド北海道)に七回から代走で途中出場。九回には11打席ぶりの安打をマークし、延長十回には劇的なサヨナラとなる中越え適時二塁打を放った。
輝いたゆあスマイル チームメートから手荒い祝福
悩める日々を送ってきた若き女房役にとって、復調のきっかけをつかむ一打になりそうだ。4ー4の延長十回2死二塁で回ってきたこの日の第2打席。相手守護神・則本が投じた2球目を中堅方向にはじき返した。
「打った瞬間の感触は良かったので、抜けてくれるかなと思って走っていたんですけど、捕られそうな追い方をしているのでやばいなと思って走っていました」。中堅手・辰己の頭上を越え、二走の奈良間が生還。チームメートから手荒い祝福を受け、くしゃくしゃな笑顔を浮かべた。
どん底に陥った打撃状態 「スイングを崩していました」
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プロ6年目の今季は、オールスターにファン投票で選出されるなどブレーク。順調なシーズンを送ってきたが、ここ数試合は持ち前の打棒を発揮できずにいた。
「自分の思うようなスイングができなくて、自分のスイングを崩していました」。この日の試合前練習では「一番ひどかった」というものの、きっちり修正。九回には田宮らしい逆方向への左前打でチャンスメークした。
前日の大量失点には「さすがに落ち込んでいました」
リード面でも苦しんでいた。「7番・捕手」で先発出場した前日15日は、先発の福島が7失点(自責3)を喫するなど16点を失い、チームは大敗した。
「スタメンの時に大量失点を取られて負けたりしたら、ピッチャーだけではないなって責任を感じている。さすがに落ち込んでいました」
スランプ脱出へ練習あるのみ! 早出でキャッチング練習
一夜明け、状態は万全とは言えなかった。
「ちょっと寝不足気味ですかね。分からないですけど(笑)。きょうはちょっと目がずっとおかしい感じがします」。それでも、練習前には早出でキャッチング練習に励んだ。
静かに見守ってきた山田コーチの目に映った復活の笑顔
壁にぶつかった24歳を、山田バッテリーコーチは静かに見守ってくれていた。
「常に言っているのは、『自信を持ってやってくれ』。それしか言っていない」。ヒーローとなり、お立ち台に上がった田宮の表情は、パワーがみなぎっているように見えた。