金村尚真 完投目前の好投で4勝目! 建山コーチ称賛「天性の感覚がある。器用なピッチャーの典型」
■パ・リーグ13回戦 楽天2ー6日本ハム(7月17日、エスコンフィールド北海道)
自己最長8回⅔を投げ2失点 チームは再び貯金生活
日本ハムの金村尚真投手(23)が17日、エスコンフィールド北海道で行われた楽天戦に先発。プロ入り後最長の8回⅔を投げ、2失点の好投で4勝目を挙げた。
前半戦ラスト登板を自身3連勝で締めくくり、チームは単独3位に浮上。2年目右腕の快投で、2日以来の貯金生活に突入した。
球数もプロ入り後最多を更新
最後の力を振り絞り、腕を振り続けた。威力ある直球と多彩な変化球を駆使し、プロ最多128球の熱投を披露。初の完投勝利を目前で逃したが、堂々の投球内容でチームを3カード連続の勝ち越しに導いた。
勝利を上回った悔しさ 「9回を投げきれるように意識したい」
しかし、勝利の喜びを上回ったのは、1試合を投げきれなかった悔しさだ。うつむき加減にマウンドを降りると、ベンチで唇をかみ、戦況を見届けた。
「もう、真っすぐも全然、行ってなかった。九回になるとどうしても…。メンタルなのか、そもそもの実力が足りないのか。(伊藤)大海さんや(山崎)福也さん、加藤(貴)さんはしっかり投げきっている。そのレベルに届くためにも、9回投げきれるよう意識したい」
フォームの微調整が奏功
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快記録は逃しても、八回までのハイパフォーマンスには大きな手応えを感じ取った。
ミリ単位の差が大きな結果の違いを生むプロの世界。「感覚で少しだけ。本当にちょっとリリースポイントを下げた」と、登板直前までこだわり続けた投球フォームで、高精度のボールを繰り出した。
さらなる飛躍へ気合 「突き詰めていきたい」
「スプリットだけじゃなくてカーブもたくさん使いました。スライダーやカットもしっかり投げきれた。最近は変化球に頼りがちなので、さらに上を目指すなら勝負どころも真っすぐで押していきたい。そうなれば、もっと楽な投球ができる。まだ満足できる段階じゃないので、突き詰めていきたいです」
プロ球界でもまれな存在 建山コーチも舌を巻く
曲がり球も落ちる球も自在に操れる。その繊細な指先の感覚の持ち主は、プロの世界でも希少な存在だ。建山投手コーチは「小さく曲げたり、球速を落として曲げることもできる。金村には器用にそういうことができる天性の感覚がある。本当に器用なピッチャーの典型」と証言する。
白星量産を宣言 「取り返したい」
リリーフ稼業から始まった2024年シーズン。金村は前半戦を総括し「中継ぎに適応できて、先発にも適応できたのは良かった。今は4勝4敗になったけど、先発で最初に負けてしまったので取り返したい」
しばしの休息を挟んだ後半戦で、白星を量産するつもりだ。