今季1軍登板ゼロの石川直也 伸びる直球で後半戦は巻き返す
プロ10年目のリリーバー 完全復活へ準備着々
これ以上、遅れを取るわけにはいかない―。日本ハムの石川直也投手(28)が2軍の全体練習に参加し、汗を流した。今季はここまで1軍登板はないが、2軍で23試合に登板し、防御率3.22の成績を収めている。
2020年に右肘を手術した影響で球威不足の時期も続いていたが、フォーム改良が奏功し、伸びのある直球が戻ってきた。プロ10年目のリリーバーが完全復活への道筋を描いている。
18、19年には2年連続の50試合登板
虎視眈々と〝覇肩〟奪還を狙う―。昨季1軍で16試合登板にとどまった石川は、暑さの厳しい鎌ケ谷で奮闘する日々が続いている。
2軍も前半戦を終了したが、いまだ1軍登板はゼロ。18、19年と50試合登板を果たした右腕にとっては物足りない現実だが、後半戦に向けて「1試合でも多く投げられたら」と巻き返しを誓った。
戻りつつある本来の直球 「術後では一番いい」
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20年に右肘のトミー・ジョン手術を受けた。その後「(球速を)出そうとしすぎて、うまく力が伝わらなかった」と思ったように球速が上がらず、剛腕は鳴りを潜めていた。変化球に頼ることも多くなり、昨季は16試合登板で防御率5.87と精彩を欠いた。
ただ、この1カ月半ほどで直球の質が向上したという。石川も「術後では一番いい」と手応えを感じている。
原点回帰のフォーム修正が奏功
2軍首脳陣やアナリストとともに、フォームを見直したことが改善につながった。
19年シーズン途中から、セットポジション時にグラブをへその前で構えていたが、以前のように胸の前で構えるようにしてから、右腕をスムーズに振れるようになった。直球の回転数こそ変化はないが、縦の動き、いわゆる落ち幅が少なくなり、伸びる直球となった。
相乗効果で直近5試合は無双状態
変化球の割合を多くして配球を組み立てていたことも、結果として投球の幅を広げることにつながった。「2ストライクで相手バッターの頭に変化球がある時は、真っすぐの状態が今いいので、通ったりする」
さらに、直球が良化したことで「思った通りに空振りが取れる」と決め球のフォークも生きるようになった。現在は5試合連続無失点を記録しているだけではなく、5イニングを投げて無安打の7奪三振。状態の良さが数字にも表れている。
すべては血となり肉となる 後半戦へ「こだわるのは結果」
11日に歳を重ね、28歳となった。「まだ28歳ですけど、もう10年目。けがもいい経験にはなりました」と振り返る。
勝負の後半戦、酸いも甘いも経験した石川だからこそ「こだわるのは結果だけです」とキッパリ。本来の姿を取り戻しつつある背番号51が好調な中継ぎ陣に食い込んでいく。