【プレーバック】J1第24節 浦和3-4札幌(7月20日、埼玉スタジアム2002)
鈴木が今季初ゴールから2得点 打ち合い制して10試合ぶり勝利
北海コンサドーレ札幌は浦和とアウェーで対戦し、4-3で勝利した。札幌はFW鈴木武蔵(30)が今季リーグ戦初ゴールから2得点を奪うなど後半12分までに4点を奪ったが、浦和の反撃に遭って3点を奪われる打ち合いとなった。それでも最後は全員で守り切り、10試合ぶりの勝利をつかんだ。
完全アウェーの中、前半は両クラブとも集中した入りで互いにチャンスをつくった。札幌がボールを持てばすぐにブーイングが飛ぶ厳しい環境で、徐々に押され気味になってゴールを脅かされるピンチも招いたが、それぞれが体を張ってゴールを守り抜く。26分には自陣ゴール前の攻防で相手選手のバイシクルキックがDF髙尾瑠(27)の右側頭部付近に当たって流血。髙尾は頭にテーピングを施し、そのままプレーを続行した。
すると同37分に試合が動く。左CKからDF岡村大八(27)が頭で先制ゴール。同アディショナルタイム2分には、髙尾からのロングボールに反応した鈴木がオフサイドラインギリギリから飛び出し、中央やや右からペナルティーエリア内に侵入して浦和の元日本代表GK西川周作(38)と1対1となって冷静に左足でファーサイドに流し込んだ。鈴木はこれが今季の最初のゴールとなった。
雷での中断を挟んだが、後半の入りも札幌ペースだった。6分、髙尾から敵陣ペナルティーエリア内中央やや右でパス受けたMF駒井善成(32)が古巣相手に右足でゴール左に流し込んで3点目。同12分にはまたも鈴木が敵陣ペナルティーアークやや左でこぼれ球を拾って左足に持ちかえてゴール左を打ち抜く。1点目はオフサイド検証もあったことで控えめだったが、この自身2点目のゴールには倒れ込んでそのまま両手ガッツポーズを見せて喜びを爆発させた。
同16分に浦和は4枚替え。システムも変えて攻勢を強めた。すると32分、相手CKからFWチアゴ サンタナ(31)にヘッドで1点目を返されてしまった。札幌も33分に3枚替えで対抗。鈴木に代えて新加入したばかりのFWジョルディ サンチェス(29)が投入されて来日デビュー。MF宮澤裕樹前主将(35)も9試合ぶりに戦列復帰した。
しかし1点目から4分後の36分には相手FW二田理央(21)に左クロスからファーサイドでのダイレクトボレーを決められ2点目。ホームの浦和はさらに勢いを増していった。
同41分には相手CKのこぼれ球を競り合った岡村の右足裏がペナルティーエリア内で相手選手のふくらはぎに接触。その場は流されたがVAR検証の結果、PKとなり、それを決められて3点目。ついに1点差まで追いつかれた。
後半アディショナルタイムの表示は9分。札幌は全員で守りを固めてゴールを死守する。同9分には相手の右クロスからチアゴサンタナがゴール正面でヘディングシュートを放ったが、再三のビッグセーブを見せていたGK菅野孝憲(40)がこれも辛うじてキャッチ。最後の最後まで同点ゴールは許さなかった。
札幌の放ったシュートは8本。そのうち4本を決めて打ち合いを制した。試合後、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)は「残りの20分が悪かったからといって否定的に捉える必要はない」と力強かった。
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■前半37分に先制点となるヘディングシュートを決めたDF岡村大八(27)
「4点リードした後の試合の運び方というところがダメだったかなと。後半の試合の運び方というところは課題が一つ残りました。ただ、その中でもしっかりと全員で走りきって勝てたというところは本当に大きいし、自分で得点を決められたというのは個人的には満足しています」
■後半6分にチーム3点目のゴールを決めたMF駒井善成(32)
「ケガ人が戻って来て、新加入選手も入って来たので、良い形でみんなで切磋琢磨しながら、チーム内の競争力を高めたい。スタメンで出る11人が責任を持って戦いに臨んでいけるよう、練習からみんなでやっていきたい」
■後半33分から途中出場し、約2カ月ぶりに戦列復帰したMF宮澤裕樹(35)
「今日勝ったことで、ここからやっていくぞって。ケガ人が戻って来てチームの雰囲気が良くなったというのはあるし、ここで結果が出たというのはチームにとって大きい。あと残り14試合でしっかり結果を残していくことにフォーカスして、自分も引っ張っていければ」
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