【プレーバック・写真入り】南北海道大会決勝 立命館慶祥4-6札幌日大高(7月21日、エスコンフィールド北海道)
札幌日大高エース小熊が連続完投 粘る立命館慶祥あと一歩及ばず
札幌日大高が4度目の正直を達成するか、立命館慶祥が初の決勝進出で一発で決めるか。どちらが勝っても初優勝の一戦。
札幌日大高の先発は20日の準決勝・北照戦で109球完封勝利したエース左腕・小熊梓龍投手(3年)。立命館慶祥は背番号10の大西悠希投手(2年)が先発した。
初回から試合は動いた。札幌日大高は四球と投ゴロで2死二塁とすると、2年生主砲の窪田洋祐中堅手が左前打。チーム初安打が貴重な先制打となった。さらに二回にも無死二、三塁で8番・小熊が左犠飛で追加点。序盤の主導権をがっちりと握った。
札幌日大高の小熊投手はテンポ良く五回まで48球。前日9回完封の疲れを感じさせない投球に、立命館慶祥打線はそれまで2安打と攻略に苦戦した。
札幌日大高は五回にも相手投手の制球難やバッテリーミスなどが絡んで1安打で3点を追加。5-0で折りかえした。
六回は互いに打者3人で終えたが、七回はついに立命館慶祥の打線が目覚めた。4番・戸嶋陽斗二塁手(3年)が左前打を放ち、この試合初めて先頭打者が出塁。突破口を開くと、1死後に代打・小山倫輝(3年)が右前打で一、三塁の好機。続く打者が死球で満塁とすると、3番手でマウンドに上がっていた8番・浅見倖成投手(3年)が右中間へ2点適時打。さらに9番・徳永漣遊撃手(3年)の右犠飛で3点目。続く1番・横谷塁右翼手(2年)の中前適時打でこの回一挙4得点。流れは一気に立命館慶祥に傾いた。
その裏、立命館慶祥は守備でも流れを引き寄せる。1死二塁で右前にポトリと落ちそうな打球を横谷右翼手が果敢にスライディングキャッチ。二走が飛び出していたため、すぐに転送して併殺に仕留めた。落としていれば追加点は確実な場面。立命館慶祥の応援団が陣取る一塁側スタンドのボルテージもさらにヒートアップした。
立命館慶祥が2点ビハインドで迎えた九回の攻撃。先頭から2者連続で凡退してしまうと、最後の打者はエース浅見投手。札幌日大高の小熊投手とエース対決となった。カウント1-2から浅見の当たりは二ゴロ。果敢にヘッドスライディングでトライしたが、わずかにアウトとなり、ここで試合が決した。札幌日大高は創部38年目にして初優勝を果たした。
■2006年の就任以来、夏は3度、秋は2度決勝に進むも5度準優勝を経験した札幌日大高の森本琢朗監督(43)
「選手が頑張る姿と、私を支えてくださってる方々、その力でここまで踏ん張ってやって来られることができました。選手は本当に頼もしかったし、ここまでよく厳しい練習や厳しい生活に耐えてきてくれた。甲子園とはいえ、自分たちの野球のやるべきこと、これを変えずに、しっかり力を発揮させられるような野球をしていきたい」
■2試合連続で完投した札幌日大高の小熊梓龍投手(3年)
「とにかくアウトを1個ずつ取っていこうと話していた。秋と春の負けがあったからこそ、ここまで成長できた。負けから得たものはすごく大きかった。甲子園だからといってやることは変わらず、自分らしい投球で、チームが勝利につながるような投球をしたい」
■七回に2点差まで追い上げるも初優勝を逃した立命館慶祥の滝本圭史監督(43)
「すごく悔しい。勝負事なので、もちろん負けて満足ということはないですけど、この舞台で2試合させていただいて、子どもたちが躍動している姿、特に6点離されても前を向いてしっかり戦い続ける姿が見られて、本当に幸せな時間でした」
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