【プレーバック】北北海道大会準決勝 クラーク9-1旭川実業(7月22日、旭川スタルヒン)
延長タイブレーク制しクラークが連覇王手
2年連続の甲子園を狙うクラークの先発は、北大会で初めて2年生の辻田丞投手が務めた。9年ぶりの決勝進出が懸かる旭川実業は152キロ右腕・田中稜真投手(3年)が支部初戦から5試合連続の先発マウンドを任された。
田中が一回からクラーク打線を圧倒した。先頭打者を147キロの直球で見逃し三振に斬って取ると、五回まで被安打1、7奪三振。最速は149キロをマークした。一方、クラークの辻田投手は毎回走者を背負うも、決定機は与えず踏ん張り、五回を終えて0-0と息詰まる投手戦となった。
試合の均衡を破ったのは六回の旭川実業。2死から田中が遊失で出塁すると、続く西村颯汰一塁手(2年)が右中間を破る二塁打で、田中が一塁から長駆生還。欲しかった先制点を手に入れた。
昨夏王者のクラークが、土壇場で底力を発揮した。1点ビハインドの九回。先頭の2番・高橋歩希遊撃手(3年)が四球で出塁。後続が敵失で無死一、二塁と好機を広げると、右翼で先発して2番手でマウンドに上がっていた4番・児玉旭陽投手(3年)が左翼へ起死回生の同点二塁打。一走も一気に本塁を狙ったが憤死。さらに1死一、二塁とチャンスは続いたが、旭川実業・田中投手が踏ん張り、勝ち越しは許さなかった。
九回の旭川実業。先頭の8番・岸本颯仁中堅手(3年)が四球を選びサヨナラの走者を出すと、ここでクラークの児玉投手が痛恨のボーク。さらにクラーク3番手の佐藤蒼汰投手(3年)から2つの四球を選び2死満塁まで攻め立てたが、田中が中飛に倒れ、勝負は延長タイブレークに突入した。
十回のクラークの攻撃。無死一、二塁から途中出場の8番・金原律右翼手(3年)の犠打を、旭川実業の成田蓮哉捕手(3年)が三塁に送球するも野選。満塁で途中出場の9番・福田晃大中堅手(3年)が押し出し四球を選んで勝ち越すと、1番・鈴木凰介三塁手(3年)の中越え2点二塁打、高橋の中前打で得点。プロ注目の田中をノックアウトした。さらに代わった西村颯汰投手(2年)も打ち崩し、この回打者一巡で大量8点を奪った。
最後まで諦めない旭川実業だったが、無死一、二塁から得点を奪うことはできず、ゲームセット。クラークが初の北大会2連覇に王手をかけた。
■9年ぶりの決勝進出を逃した旭川実業・岡本大輔監督(50)
「田中は、よく頑張って投げたと思います。ほんと選手は一生懸命、頑張ってやってくれた。(九回2死満塁で田中は凡退)本当はあそこで1本決めていれば。あそこで決まらなかったので、ちょっと精神的に、がくっときた部分もあったのかな。勝たせてやれなかったのは、監督の責任だと思います」