《鶴岡慎也のツルのひと声》後半戦のキーマンは、やはりあの男 田宮はもう一踏ん張り
いよいよ後半戦に突入 攻撃陣と捕手陣の展望
プロ野球は26日から、リーグ戦が再開となる。日本ハムは5連勝でオールスター前の前半戦を締めくくり、現在3位に位置する。2位のロッテとはわずか1ゲーム差。ただ、4位の楽天とも1ゲーム差で、5位のオリックスとのゲーム差は「4・5」。激しいAクラス争いの真っただ中にある。後半戦に向け、道新スポーツ評論家の鶴岡慎也さん(43)がキーマンを挙げながら、攻撃陣、捕手陣について展望した。
高まるAクラス入りの機運 球宴大量出場もプラス
目下のライバル・ロッテに同一カード3連勝を飾り、前半戦を終えた。Aクラス入り、さらなる上位進出へ気運が高まっている。オールスター開催で、若干の「間」が空いたのだが、それは問題ない。私も経験があるが、球宴で疲れることはない。得るものあって、失うものは一切ないのだ。日本ハムからは大量9人が出場した。得たものをぜひ、チームに還元してもらいたい。
全員が好調ではないのがいい 過去2年の新庄采配が結実
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さあ、後半戦に突入する。打線は非常に良い状態にある。全員が絶好調というわけではないのがいい。万波と水谷が今、少し調子を落としている感じがある。一方で、清宮や郡司、マルティネスも状態は上向きだ。二遊間を守る奈良間の活躍も目立つ。
調子の良い選手が打線を引っ張り、不調の選手をカバーする。状態が上がりきらない選手も四球などで粘り、勝利に貢献する。長いペナントレース。これが勝てるチームの戦い方だ。昨季は、多くの選手が一気に調子を落とすこともあり、最長13連敗を記録した。それが今年はない。昨シーズンまでの2年間、新庄監督は、いろんな選手に打席を与え、経験を積ませた。その成果が今季やっと出てきたというところだ。2年間でしっかりとチームの土台を築き上げた。
万波の〝ノルマ〟は打率.280の30本塁打!
キーマンは、やはり万波だろう。キャンプの段階から、レギュラーを確約されていた。「今季は万波を軸に戦っていく」というメッセージが込められている。そういう選手には勝負どころで打席が回ってくるものだ。前半戦を終えての打撃成績は打率.252の13本塁打42打点。正直、物足りない。打率.280の30本塁打は欲しい。首脳陣はもちろんのこと、私もレベルの高い選手と認識している。期待したいところだ。
ここまでチームをけん引した田宮 守備の意識が重要
キャッチャーに関しては、田宮にもう一踏ん張りしてもらいたい。打率3割をキープして折り返せたのは見事だ。彼の活躍なくして、この位置(貯金4でリーグ3位)はあり得なかっただろう。ただ、後半戦は、より守備が大事になってくる。絶対に負けられない試合が多くなる。エラーはもちろん、配球ミスなども許されないシーンは出てくる。
捕手分業制のススメ 伏見の経験は武器
分業制を取り入れるのも一案かもしれない。21日のロッテ戦。九回に伏見が守備に就き、この回から登板した田中正とバッテリーを組んだ。リリーフ陣が登板した時など、途中からマスクをかぶるのも手だ。田宮の負担を減らせるということもあるが、伏見の経験は大きな武器だ。
ぜひエスコンでクライマックスシリーズを
昨季はAクラス争いができなかった。選手も、ファンもヒリヒリするような戦いが続く。ぜひ2位に入り、エスコンでクライマックスシリーズを戦ってもらいたい。ホークスが独走してはいるが、相手の戦い方次第ではゲーム差が縮まってくる。まずは離されないこと。そして2位に食い込むこと。その上で、さらなる上位を見据えてほしい。