《平川弘のCool Eye》サンチェスが前線の起点になってくれたら、より鈴木武蔵が生きる
上機嫌だったペトロヴィッチ監督
20日の浦和戦(4〇3)はアウェーながらホームチームを撃破し、やっと今季3勝目を挙げた札幌。上機嫌のペトロヴィッチ監督は試合後、「ビーレフェルトがバイエルンに勝つようなもの」と敵地での勝ち点3を彼流に例えてみせた。今の浦和がバイエルンに例えられるかは疑問だが、それくらいの戦力差があることをアピールしたかったのだろう。
神戸戦(1△1)でPKを失敗し、戦犯扱いされていたFW鈴木が2得点したこともペトロヴィッチ監督の口を滑らかにした。これまで我慢して鈴木を起用してきたが、なかなか結果を出せずにチームが最下位の泥沼にはまる最大の要因となっていた。
ストライカーにとって何より大事なこと 鈴木に神が微笑んだ
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ルヴァン杯ではPKで得点しているが、流れの中でゴールすることがストライカーにとっては何より大事なこと。それに代わる特効薬はないからだ。鈴木の浦和戦のゴールはDFラインの裏へ飛び出して決めたもの。鈴木の得意な形であったが、オフサイド崩れで浦和のDFたちもオフサイドディレイで笛が鳴るだろうと足を止めてしまった。
鈴木もそんな空気感を感じながらのフィニッシュであったと思う。「一応、決めとくか」というものでもあったが、笛が鳴るまで集中してプレーをやめなかった鈴木に神は微笑んだ。どんな形であれ、流れの中でのゴールはストライカーに自信を与えるもの。
こぼれ球に反応できる位置取り
鈴木の2点目は面白いもので、MF青木がダイレクトでMF駒井へ出した? パスが相手に引っ掛かってこぼれてきたもの。青木がダイレクトでくさびを入れたことが重要なポイントだったが、こぼれ球に反応できるポジショニングを取っていれば、何回かはチャンスが巡って来る。リラックスしてコントロールシュートを打てたのは、初ゴールで気持ちが楽になっていたからだろう。
アクション起こすことで道は開く
ゴール前では、ただ待っているのではなく、アクションを起こすことが大事。ニアで潰れる等、スペースを味方に与えることで最後は自分のところにボールがこぼれて来るものだ。
戦力であること示したサンチェス
新戦力のFWジョルディ・サンチェスが後半終盤にプレーをした。チームに合流して間もないが、的確な状況判断、プレーで戦力になり得ることを示した。ポストプレーやボールを運ぶ巧さで前線の起点になってくれたら、より鈴木が生きると感じた。ただ、急に先発するのはおそらく無理だろう。