コンサドーレ
2024/07/26 07:00

FW鈴木武蔵のゴールは本当にうれしかった《河合CRC竜の眼》

 

ようやく長いトンネル抜けた

 北海道コンサドーレ札幌は20日のアウェー浦和戦(4〇3)で、ようやく長いトンネルを抜けることができた。ゲームの締め方に課題は残ったものの、内容よりも勝ち点3を取るという結果が最優先であったので、勝ててほっとしたというのが正直な気持ちだ。

 鹿島戦のMF青木、神戸戦のMF浅野とMF長谷川に続き、この日はMF宮澤とMF近藤もケガから戻ってきて、18人のメンバーに名を連ねた。新加入のFWジョルディ・サンチェスを含め、戦力がかなり戻ってきたことがチームにとって大きかったように思える。

体を張って守り抜いたところは頑張った

 両チーム共に相手DFラインの背後を狙う攻撃の意図を見せていた中で、試合序盤は浦和にチャンスをつくられる場面が多かった。ゴール前までボールを運ばれてピンチを招いたところで、札幌の選手のマークの付き方に課題は残ったものの、側頭部を蹴られて流血しながらも相手のシュートを防ぎきったDF髙尾を筆頭に、最後の最後で体を張って守り抜いたところは、非常に頑張ったと思う。

 そんな守備陣の我慢が実を結んだのが、前半37分の先制点のシーン。青木の左CKからDF岡村が頭で合わせてゴールネットを揺らした。青木は神戸戦でも直接FKでゴールをマークしていたが、この日も体のキレが良かったし、キックの質も良く、コンディションがすごく上がってきていると感じた。岡村もチャンスボールをしっかり決めきってくれたし、やはり先制点を取れるとチームは流れに乗ることができる。

待ちに待った武蔵の今季初ゴール

 そして同アディショナルタイム2分、待ちに待ったFW鈴木の今季初ゴールがついに誕生した。最初は一瞬オフサイドかと思ったが、映像を見直したら、ラインブレイクの基本である、一回後ろに戻ってから膨らむような形で相手の背後を突くという動きをしっかり行っていたからこそ、オフサイドを回避できた。VARによるオフサイドチェックが終わってゴールが確定した瞬間、武蔵が喜びを爆発させたが、ここまでのシーズンで本当に苦労していたし、前節のPK失敗という汚名を返上することもできたはず。私もテレビでその光景を見ていて、本当にうれしかった。

 雷雨による長い中断が明けて試合が再開した後半6分、MF駒井のゴールで3点目を奪った。実に札幌らしい得点だった。持ち上がったDF中村が、駒井に入れた斜めのパスは本当にすばらしかったし、ラストパスを入れた髙尾も冷静に駒井の位置を見ることができていた。そして駒井も決して簡単なシュートシーンではなかったと思うが、よく決めてくれた。

利き足ではない左足でよく決めた!

 同12分には、武蔵がこぼれ球を拾ってこの日2点目となるゴール。利き足ではない左足でのゴールだったが、こちらもよく決めてくれた。ようやく1点を挙げることができた直後だっただけに、気持ちの面でリラックスして打つことができたのではないだろうか。

 4-0と大量リードを奪った札幌だが、ここからの展開は厳しいものだった。同32分の左CKからFWチアゴ・サンタナに頭で決められたシーンは、岡村がマークするべきサンタナを見ることができていなかった。マンマークで守る以上、マークするのであれば、もっと体を当てていかなければいけない。

浦和のFW二田はなぜ、あんなにフリーだったのか

 同36分の2失点目は髙尾がサンタナとの距離を外してしまいフリーでプレーさせたし、得点を決めたFW二田がなぜファーサイドであんなにフリーになっていたのか。崩されて失点するのは仕方ないが、この場面のように隙をつくることはあってはならない。

 それは3失点目のPKを与えた場面にも言える。クリアが小さかったり、GK菅野がボールをキャッチしに行った結果、パンチングが小さくなってしまったりと、ちょっとしたミスが重なり、最後は岡村とサンチェスがお見合いになって後手に回り、岡村がスライディングに行ってしまったが、試合状況にのまれた部分はあったと思う。

マークの受け渡しに残る課題

 アディショナルタイムにもサンタナに、あわやのヘディングを放たれた。髙尾がマークに付いていたが、外されて岡村の前に入れられたので、岡村にはサンタナが見えていなかった。マークの受け渡しの声を掛けたり、もっとラインを上げてペナルティーエリアの外で対応しするなどしないと、ああいうシーンをつくられるので、今後の教訓にしなければならない。

新加入のサンチェスに感じたことは

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