コンサドーレ
2024/07/25 18:00

《元赤黒戦士の現在地・都倉賢後編》クラブ史上最多リーグ戦67得点をマークした札幌での5年間の日々

2017年7月29日の浦和戦、前半32分に先制ゴールを決めた都倉

後編は札幌在籍時の5シーズンを振り返る

 かつて北海道コンサドーレ札幌で活躍したOBの現在と過去に迫る『元赤黒戦士の現在地』。前回に続き、FW都倉賢(38)の後編をお届けする。2014年から18年まで5シーズンにわたり札幌のエースストライカーとして活躍した足跡を、都倉自身の回想と共に振り返る。(以下、敬称略)

海外移籍を視野「Jリーグのオファーは断って」

 13年シーズンをもって4年間在籍した神戸を契約満了となった都倉は、海外移籍を目指して渡欧することを選択した。「代理人にJリーグからのオファーは僕の耳に入れないで断ってくれと伝えて。海外移籍を模索していたが、なかなかチームが決まらず、1月に入ってからやっとの思いでデンマークのチームに練習参加できることになって」。当時デンマーク1部に所属していたFCベストシェランに練習参加すると、当初は1週間の予定が1カ月まで延長。都倉自身も手応えを感じたが、契約には至らなかった。「そこからだともうヨーロッパもシーズンが始まって、練習に参加できる感じではなくなって、断念せざるを得なくて。代理人と相談したところ、ずっと札幌だけが手を上げ続けてくれていた」。

羽田で待っていた三上GM

 時期的にはJリーグ開幕を目前に控えた2月下旬のこと。他クラブが開幕前の編成を終えていく中、この2年前にも獲得オファーを出していた札幌だけは、都倉の動向から目を離さなかった。「都倉の気が済むまで海外挑戦してくれていい」「もし日本に帰ってくる場合は札幌と契約してほしい」という話を(代理人と)裏でしていたようだった。「僕は全然知らずに、本当に帰国する前日にその話を聞いた。羽田(空港)でGMの三上さんが待っていてくれて、たぶんシーズンが始まる2日前ぐらいだったと思うんですけど、羽田で契約書にサインしました」。獲得したい、という強い熱意に導かれ、都倉は14年シーズンの開幕戦を終えた直後の札幌に加入することが決まった。

2014年3月7日、練習 に参加し、チームスタッフらと挨拶する都倉

 

出場4試合目で移籍後初ゴール

 札幌の一員となった都倉は、第3節アウェー湘南戦で後半15分から途中出場し、早速新天地でのデビューを果たす。「海外挑戦しての途中加入でキャンプをやっていなかったので、合流してすぐメンバーに入れてもらったが、なかなかコンディションが上がらなくて、すごく苦労したのを覚えている」という言葉どおり、最初の3試合では結果を出すことができなかった。4試合連続の途中出場となった第6節ホーム松本戦(1〇0)で、ついに決勝点となるゴールを決めた。「移籍して初めて決めたゴールは、やっぱりそのゴールが無ければ何もスタートしないので印象に残っている」と振り返る加入後初ゴールで、札幌のエースストライカーとしての第一歩を踏み出した。

2014年4月5日の松本戦後半15分、都倉が先制ゴールを決め、サポーターに向かって腕組みパフォーマンスをする

 

2014年のJ2最優秀ゴール賞に選出

 この年は最終的に37試合に出場し、チームトップの14得点。10月26日のホーム湘南戦(2〇0)ではクラブのリーグ戦通算1000得点となるゴールをマークした。GK李昊乗(イ・ホスン、34)からのロングボールを胸トラップで落とし、ペナルティーエリア外から左足ボレーで叩き込んだこのゴールは、同年のJ2最優秀ゴール賞に選出されるなど、チーム内外に〝札幌の都倉〟の名をとどろかせた。

2014年10月26日の湘南戦前半9分、都倉が先制ゴールを決める

 

 「(チームの順位は)10位でそんなに良くなかったけど、若くて才能あふれる選手もいたし、割と攻撃的なメンバーが多くて。失点もするけど、チャンス構築回数は多かった印象があった。FWとしてそういうチームでプレーできるとゴールのチャンスが増えるので、うまいこと決められたと思っている」。

一番鳥肌が立った〝ベストゴール〟とは

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい