支配下登録となった鍵谷陽平が球団への恩返し誓う これまでの経験を還元し「チームのプラスになれば」
■7月25日、鎌ケ谷スタジアム
七飯町出身の鍵谷陽平投手(33)が育成選手から昇格して支配下選手登録され、1軍の戦力となることを目指した戦いが始まっている。昨オフに巨人を戦力外となって今季は育成選手として5年ぶりに古巣復帰。現在もファームで調整を続けているが、この日も酷暑の中でのランニングやキャッチボールなど精力的に汗を流した。
周囲からの祝福「うれしかった」
若い選手に囲まれ、33歳のベテラン選手が黙々とメニューをこなす。練習に向き合う姿勢や普段の生活態度は若いチームに影響を与える。支配下登録選手となり、喜んでくれたのも周りの選手たちだった。「みんな、おめでとうと言って喜んでくれた。うれしかった」。
リーグV3度、日本一1度の経験
北海高-中央大と進み、2012年ドラフト3位で日本ハムに入団。2016年には中継ぎで48試合に登板し、4年ぶりリーグ優勝に貢献、日本一の原動力となった。2019年6月にトレード移籍となり、巨人でも19年、20年のリーグ連覇に貢献した。昨季はけがも重なって戦力外となったが、古巣で育成から再起を目指した。
最後はファイターズで「終われればいいのかなと」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
鍵谷は「戦力外となって、じゃあ自分の野球人生をこれからどう過ごすかを考えた時に、もう一度ファイターズでプレーできるのであれば、そこでもう一度、そうですね、終われればいいのかなと。もう一つはやっぱり恩返し。ファイターズにとってもらって、この世界に入って育てていただいた。これだけの試合数(巨人と合わせ419試合)を投げさせてもらい、リーグ優勝も3回、日本一も1回経験できた。こういった経験がファイターズに間違いなく還元できると思っている。そういった面でチームにプラスになるのであれば、もう一度ファイターズでプレーしたいという思いがあった」という。
肉体改造で新たな挑戦
大学のころからウエートトレーニングが好きだった。育成選手となり、これまでの最大ボリュームをこなすという。「一つの挑戦です。新しい試み」とベテラン投手はさらなる肉体改造で若さを取り戻すつもりだ。剛腕でならした投球スタイルは今はない。平均球速は145キロほど。カットボール、2種類のツーシーム、スライダーなど7つの球種を操り、今季2軍で13試合に登板。16回3分の1を投げ、防御率1・10の成績で昇格につなげた。
自分の持ち味を発揮したい
「まだまだ改善の余地はある。少しでも改善していきながら自分の持ち味を生かしていきたい。支配下に上がったということで1軍で投げるチャンスが来た。より一層しっかりと準備していかなきゃいけない。戦力として投げられればベストだなと思います」。鍵谷の挑戦は続く。