《荒木大輔のズバリ解投》試合をつくるのはスターター 巻き返しに期待したい2投手
西武3連戦で後半戦スタート 投手陣を展望
プロ野球は26日から、リーグ戦が再開となる。日本ハムは5連勝でオールスター前の前半戦を締めくくり、現在3位に位置する。2位のロッテとはわずか1ゲーム差。ただ、4位の楽天とも1ゲーム差で、5位のオリックスとのゲーム差は「4・5」。激しいAクラス争いの真っただ中にある。後半戦に向け、道新スポーツ評論家の荒木大輔さん(60)がキーマンを挙げながら、投手陣について展望した。
大きかった金村の配置転換
前半戦、投手陣は先発、リリーフとも好結果を残したと言える。特に中継ぎは強力で、中盤までにリードしていれば、高確率で白星を手にすることができていた。昨季、セットアッパーを担った池田が出遅れた。痛い離脱だったが、先発候補の金村を一時的に中継ぎへ配置転換することで、厚みを持たせた。
心強い池田の復帰 他球団にとっては脅威
もともと能力の高い杉浦が復活したことも大きい。河野らもしっかりと仕事をした。ベテランの宮西も節目節目で、チームを救う活躍を見せた。池田が7月にカムバックした。リリーフ陣は後半戦も期待できる。他球団も脅威に感じているはずだ。
重要なのは先発陣 本領発揮が待たれる左腕
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問題は先発陣ということになる。試合をつくるのは、やはりスターターなのだ。カギになるのは上原と北山だろう。まずは上原。ボール一つ一つはどれも一級品でポテンシャルは高い。だが、今年も実力を発揮しきれていない。私自身、「もったいない」という言葉を何度も口にしてきた。課題はこれまで同様に四球癖。これを解消しないことには始まらない。
貯金が計算できる北山 待たれる1軍復帰
そして北山。これまで7試合に先発し、4勝(1敗)をマーク。4月にはロッテ戦でプロ初完投初完封も飾った。それが6月に負傷離脱した。7月18日の2軍戦で復帰を果たしたようで、1軍昇格も間近だろう。先発ローテーションに加われば、普通に貯金をつくれるはずだ。本音を言えば、根本にも期待していたのだが、まずは自分のピッチングを取り戻すことが先決のようだ。
勝ち星を付けたい加藤貴
柱となるのは当然、加藤貴、山崎、伊藤の3本柱。今さら、どうこう評価するレベルにはない。やってもらわなきゃ困る。ただ、特に加藤貴に言えることだが、勝ち星に恵まれていないのが気になる。状態も良く、抑えているにもかかわらず、勝てていない(防御率2.32で4勝6敗)。我慢するしかないのだが、これが続けば黄信号。リズムを崩す要因にもなってくる。経験は豊富。本人も分かっているだろうが、勝利でしか解消されないものもある。
激しい上位争い 侮れないオリックス
現在、ソフトバンクが首位を走っている。だが、怖いのはオリックス。5位に低迷してはいるが、パ・リーグを3連覇中。勝ち方を知っている。低迷の要因も主力に離脱者が続いたため。それでも3位の日本ハムとは4・5ゲーム差。やはり、侮れない。