24歳になった札幌DF中村桐耶が左サイドの熾烈な競争勝ち抜く
■7月25日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
20日のアウェー浦和戦(4〇3)後に4日間のオフを設けた北海道コンサドーレ札幌が、全体練習を再開。入念なウオーミングアップを行った後、ボール回しやアジリティートレーニングを組み合わせたパス練習などで調整した。23日に24歳の誕生日を迎えたDF中村桐耶は、現在リーグ戦9試合連続で先発出場中。激化するライバルたちとのポジション争いを勝ち抜き、左CBの定位置を盤石なものにする。
人気の証拠だ〝夏の決起集会〟に特設コーナー
24歳になって最初のトレーニングに臨んだ中村は、この日も順調にフルメニューを消化。リフレッシュ期間を挟んだこともあり、終始軽快な動きを見せた。プロ6年目を迎えたアカデミー育ちの道産子DFは、近年の活躍もあって高い人気を誇っており、23日にクラブのオフィシャルトップパートナー・あいプランが実施したサポーターイベント〝夏の決起集会〟では、中村本人こそ登場しなかったものの、サイン入りカードが配布されたり、寄せ書きコーナーが設けられたりと、同日に誕生日を迎えた背番号6が大々的にフィーチャーされた。
たくさんメッセージ ありがたかった
「(同様のイベントが)今まで無かったのでびっくりしたけど、本当にうれしい。(それ以外にも)いろいろなところから、たくさんの人がメッセージをくれたのでありがたかった」と、応援してくれている人たちの思いを胸に、新たな一年への戦いへと臨もうとしている。
チームは前節の浦和戦でリーグ10試合ぶりの勝利。「うれしかったのはもちろんありますけど、どちらかというと、やっと勝ててホッとしたという意味合いの方が自分の中では大きかった」と振り返る中村は、守備だけではなく、攻撃面でもチームの勝利に貢献するプレーを披露した。
浦和戦で見せた勝利に貢献するプレー
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後半6分、浦和陣内に進入した中村は、ハーフウエーライン付近左サイドからグラウンダーの長いパスを放つと、ボールはFW鈴木武蔵(30)を経由してMF駒井善成(32)の足元へ。駒井から右サイドに展開したボールが、MF浅野雄也(27)、DF髙尾瑠(27)を経て再び駒井の元に届き、札幌の3得点目のゴールが生まれた。「相手の形がちょっと崩れていたのもあったし、うまく善成くんも顔を出してくれて。武蔵くんと2人いてくれたから、ああやって相手をつり出すことができた。あれはフクさん(現横浜FCのDF福森晃斗)がよく出していたボールだったので、ああいうボールをこれからもっと増やせるようにしたい」と、自身の1本のパスから生まれた得点を回顧する。長く得点力不足に悩んだ札幌だが、このゴールのように中村や髙尾といった3バックの選手が攻撃に絡むことができれば、中断明けの戦いで札幌のゴールシーンが量産されるはずだ。
左サイドのライバルに朴、菅、岡田
チームはJ1残留を果たすため、今夏の移籍市場で大型補強を敢行。中村が主戦場とする左サイドにも、左CB、左ウイングバックの両ポジションを得意とするDFパクミンギュ(28)が加入した。左CBでもプレー可能なFW菅大輝(25)や、今月10日の天皇杯山形戦(6〇3)で2得点を挙げたDF岡田大和(23)らと、中断期間中に熾烈なポジション争いを繰り広げることとなるが、中村は自身の定位置を譲る気はさらさら無い。
「ここ1カ月、2カ月は自分のプレーが上り調子で上がってきているし、個人的に安定して良いプレーを出せるようになってきている。そこを引き続きやっていけば、監督に分かってもらえると思うので、見栄を張ってできないことをやろうとせず、いつも通りやれることをしっかりやって、アピールしていきたい」。苦しい序盤戦を乗り越えて着実にレベルアップしてきた中村が、左サイドの競争を勝ち抜いて、左CBのレギュラーとして最後まで走り抜ける。