浦和戦で流血も2アシストの札幌DF髙尾瑠がオフ明け練習でフルメニュー消化
■7月25日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
20日のアウェー浦和戦(4〇3)で、接触により右目の上を切って出血するアクシデントに遭いながらも、2アシストをマークして勝利に貢献したDF髙尾瑠(27)が、オフ明けのトレーニングで、ケガの影響を感じさせることなくフルメニューを消化した。
側頭部蹴られ目の上から流血
浦和戦の前半27分、DF岡村大八(27)のシュートブロックによって、ペナルティーエリア内に浮き上がったボールのヘディングクリアを試みたが、同時にバイシクルシュートを狙った浦和MF松尾佑介(27)の右足が右側頭部に当たり、ピッチに倒れ込んだ。「僕も見えなかったので、正直何が起きたか分からなかったが、蹴られたんだなと」。右目の上から流れ出した血が、白いユニホームの一部を赤く染め、プレーの続行が一時危ぶまれたが、ホッチキスで傷口をつなぎ留める応急処置を行ってプレーを続行。最終的にはフル出場を果たし、「最高にうれしかった」というチームの10試合ぶり勝利の瞬間に立ち会った。試合後に患部を4針縫ったが、「そんなにひどくなかったので」と、オフ明けのこの日からチーム練習に合流した。
「オフサイドっぽかったけど蹴ってよかった」
満身創痍の戦いとなった浦和戦で、髙尾はチームの勝利に直結する2つのアシストを生み出した。1本目は、前半アディショナルタイム2分のFW鈴木武蔵(30)のゴールだ。「前半の終わりかけだったので、近くでプレーするよりも、結構大胆なプレーの方がいいかなと思って。ちょうど武蔵くんが走っているのが見えたので、オフサイドっぽかったけど、蹴ってよかった」。鈴木にとって待望の札幌復帰後リーグ戦初ゴール。その記念すべき1発目を、G大阪時代からの盟友・髙尾が演出した格好となった。
浅野→髙尾→駒井 これで2アシスト目
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そして2本目は、後半6分に生まれたチーム3点目のゴール。ペナルティーエリア内で右サイドのMF浅野雄也(27)からパスを受けた髙尾は、自分の左にいたMF駒井善成(32)がフリーになっているのを見極めて、冷静に右足でラストパスを出した。「浅野がしっかり僕のことを見て、横にパスしてくれた。相手がこっちに寄ってきそうな感じがあったので、寄せさせて駒井さんに出した。決めてくれてよかった」。守備だけでなく攻撃面での活躍も期待されていた髙尾が、加入後初アシストからいきなり1試合2アシストをマークした。
G大阪時代の「頼もしい後輩」加入
今夏の移籍市場で、札幌はここまで5選手を補強。その中で髙尾と深いつながりを持っているのが、2019年から21年までの3年間、G大阪で共にプレーしたFW白井陽斗(24)だ。白井は加入会見で「(髙尾と)クラブハウスで目が合ったときに安心しました」と語っていたが、髙尾もまた「陽斗とは結構長くやっていた。かわいい後輩という感じなので、これからも仲良くやっていきたい」と、白井との再会に喜びを見せている。「すごく頼もしい存在」と評する後輩と、今後の戦いでもうひとつの〝G大阪ホットライン〟を開通させたいところだ。
中断明けにレベルアップした姿を
白井の他にも実力選手がめじろ押しで、さらにケガから復帰してきた選手も続々と合流。中断期間には各ポジションで熾烈な競争が繰り広げられることが予想される。もちろん6試合連続先発出場中の髙尾も、安全圏にいるわけではない。「競争が始まるので、そこでみんながやり合って、勝ち取った選手が試合に出れば、おのずとチームレベルも上がっていく。そこは意識してやっていきたい」。中断明けの戦いに、鍛え上げられた札幌イレブンの一員としてピッチに足を踏み入れるべく、髙尾が激しい競争を勝ち抜く。