１７日の「WEEKEND LOVERS 2024〝with You〟」に出演

　札幌出身のシンガーソングライター・中野ミホ（３０）が、８月１６、１７日に行われる野外音楽フェス「RISING SUN ROCK FESTIVAL（RSR）」（北海道石狩市など）に出演する。そのRSRでは、昨年１１月２６日に亡くなったThe Birthdayのチバユウスケさんと、LOSALIOSの中村達也が主宰として始まったジョイントライブ 「WEEKEND LOVERS」が２２年ぶりに復活。１７日の「WEEKEND LOVERS 2024〝with You〟」のゲストミュージシャンとして出演する中野ミホは、チバさんへの感謝の思いを歌声に乗せる。

高校時代から通ったＲＳＲ

　久しぶりとなる北海道の音楽野外フェスに胸を躍らせている。「（RSRは）高校生のときから毎年行っていて、Drop'sでも出させていただいたこともあったけど、コロナ禍になってから行っていないので、すごく楽しみです」とニッコリ。今回は特別なステージに出演することになった。Drop's時代にThe Birthdayと同じ事務所に所属した縁から、チバさんが気に掛けてくれるようになったという。

チバさんとの大切な思い出を胸に

　中学生の頃から憧れていた存在だっただけに、つながれたこと自体が奇跡のように感じていた。いつも対等に話してくれたのが印象に残っている。中野が事務所のスタジオで練習していると、チバさんがたまたま隣のミックスルームで作業していた。すると急に呼ばれて、まだ世に出ていなかった音源を聴かせてもらったという。「音源について話してくださったり、Drop'sの音楽活動もすごく気にしてくださって『新曲聴いたよ』とか言ってくれたり。『中野の声はこの人にちょっと似てるよね』って、洋楽のアーティストのことをおすすめしてくれたり、いつも笑って話しかけてくれた印象が強く残ってます」と懐かしんだ。そういった大切な思い出を胸に秘めながら、ステージに上がる。

　「最初にお話をいただいたときは『私でいいのか？』みたいな気持ちもなくはなかったけど、やっぱり単純にチバさんのことが私は大好きだったし、本当に感謝、尊敬しているので、その気持ちを真っすぐに出すことができたらいいです。チバさんのことはお客さんもみんな大好きだったと思うし、私も同じように大好きだったので、その思いを共有して、楽しんでできたら」

フルアルバム「Tree」を今月３１日にリリース

　今月３１日にはソロとしては初のフルアルバム「Tree」をリリースする。北海道の景色などをイメージしながら制作した〝逸品〟だ。「木の持っている凜とした佇まい、包容力。時には自然の怖さみたいな表情も見せる。そういうところにすごく惹かれて、今３０代になって、一人でしっかりと立てたらいいなというところも重ね合わせた部分もあります」。９月にはリリースツアー「中野ミホ Bandset Oneman Tour 2024『Tree』」も始まり、同２７日には札幌・ZIPPY HALLでライブを行う。「自信作ができたという気持ちなので、まだCDとかを聴いてない人にも来てほしいですし、バンドセットの３人でやるので、ぜひ生で体感してほしい」とアピールした。３０代で迎える最初の夏は、忘れられないものとなりそうだ。

■プロフィール　中野ミホ（なかの・みほ）　１９９３年１１月１２日生まれ、札幌市出身。２００９年に自身が作詞作曲を務めるロックバンド・Drop'sを結成し、ボーカル＆ギターとして活動をスタートした。バンドは２１年１０月に活動を休止し、現在はソロとして活動中。ジャズやオールディーズなど古き良きアメリカ音楽から影響を受けた楽曲を制作。現在はギターでの弾き語りを始め、サポート・ミュージシャンにRomantic（元爆弾ジョニー／キーボード）を迎えたデュオ編成や、Romanticとサトウミノル（ドラム）との３ピース・バンド編成など、様々な形態で積極的にライブ活動を行っている。デュオやバンド編成ではボーカル＆ベースを担当しており、シンガーソングライターとしてだけでなく、演奏者としての側面も併せ持つ。