〝夏男〟清宮幸太郎 代打適時打で一矢報いた「バットが思ったように出てきてくれる」
■パ・リーグ13回戦 西武3-1日本ハム(7月27日、エスコンフィールド北海道)
5試合連続ヒットで唯一の得点を叩き出した!
夏の主役を奪いにいく―。日本ハムの清宮幸太郎内野手(25)が3点ビハインドの七回に代打で登場し、中前適時打を記録した。
前半戦から続く連続試合安打も「5」に伸ばし、好調ぶりをアピール。上位争いに向けた勝負の真夏へ、浮上してきた背番号21。出遅れを取り戻すためにも、後半戦は打ちまくる。
ついに西武の武内を攻略 「うまく対応できたかな」
沈んでいた球場の雰囲気を明るくした。3点ビハインドの七回2死一、二塁。「代打・清宮」がコールされた。そこまで攻めあぐねていた西武の先発・武内のボールを見極めながら迎えた4球目。カウント3-1からの直球を振り抜くと、打球は中前に抜けていった。二走・田宮が生還し、武内を降板させた。
「(武内は)本当にタイミングが取りにくかった感じもしますし、ボールが急に出てくる感じがした。でもうまく対応できたかなと思います」
1打席勝負の代打 カウント3-1で優位に
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対バッテリーとの1打席対決を制した。代打は互いにその日の情報がない中での対戦となる。「(それまでの)流れがないので、本当にその1打席きり」と集中力を高めた。
バッテリーとの駆け引きを繰り広げながら、3-1のバッティングカウントに持っていけたことで「優位に立てた」と振り返った。
高校通算111本塁打のスラッガー 身に付けてきた感覚
野球は打者が常に受け身だからこそ、打席内でバッティングカウントをつくることが一つの〝肝〟となる。高校通算111本塁打を記録し、スラッガーの道を歩んできた清宮は、ルーキーの時から「(打席で)自分のペースに持ち込むことが大事。相手のタイミングに合わせるようじゃダメ」という考えを持っている。
出塁率が物語る進化 昨季は.344
しかし、プロ入り当初はストライク、ボールの見極めに苦戦。現に1、2年目の出塁率は.300にも満たなかった。それでも毎打席を振り返ることは怠らず、プロでの経験を重ねたことで選球眼は進化。昨季は53四球選び、出塁率.344をマークした。この日のように、好球必打を実践することができれば、おのずと快音の確率も上がっていく。
後半戦のキーマン さらなる飛躍へ手応え十分
代打で結果を残し、今季最長の5試合連続安打。試合の雰囲気を一変させる清宮が乗ってくれば、後半戦の大きな推進力となる。
「バットが思ったように出てきてくれますし、ボールもちゃんと見られている」。手応え十分の〝夏男〟が、チームを上昇気流に乗せる。