【一問一答】伊藤大海が94球で今季2度目の「マダックス」達成 一つの工夫で直球の威力向上
■パ・リーグ14回戦 西武0-9日本ハム(7月28日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムの伊藤大海投手(26)が西武打線を散発2安打に封じ込め、今季2度目の完封勝利を挙げた。要した球数はわずか94球で、今季2度目となる100球未満の9回完封「マダックス」も達成。エースの快投が、チームを後半戦初勝利に導いた。ヒーローインタビューと試合後の一問一答は以下の通り。
【ヒーローインタビュー】
―後半戦初勝利が懸かるマウンド
「前回、本当に不甲斐ないピッチングをしてしまったので、きょうは何が何でも最後まで投げるっていう強い気持ちを持って、1イニング目からずっと全力投球でやってきたので結果につながって良かったです」
―今季2度目の完封
「野手もしっかり守ってくれましたし、何より試合開始直後にしっかりと点を取ってくれたので。前回、点を取ってもらったあと、すぐに点を取られて監督よりお叱りを受けていたので、何とかそれを果たしたいなと、そういう思いで投げていました」
―二回に味方が打者12人7得点の猛攻
「30分近く後ろで準備することになったので、もうちょっと一旦いいよと思いながらも、ありがたい点数ではあるので、それをしっかり守り抜こうという気持ちで頑張りました」
―94球、今季2度目のマダックス達成
「ストライクゾーンでしっかり勝負していけたっていうのと、きょう(伏見)寅威さんと組んで、本当に強気のリードだったので、本当にそれに応えるべく、真ん中付近にずっと投げていたっていう感じだったんですけど、真っすぐもきょう強かったので、それを信じて、リードしてくれた寅威さんに感謝したいなと思います」
―昨年を超える8勝目。最多勝も狙える位置に
「前半、本当に良いピッチングっていうのは開幕戦ぐらいしかなかったので、後半しっかりチームに貢献できるように、一戦一戦全力で腕を振っていきたいと思います」
【試合後の囲み】
―前回「マダックス」を達成したときは「もうないかも」と言っていたが
「全然意識してなかったですけど、良かったです」
―一回から出力を上げての投球
「ストレートの握り方をこの1週間で変えたっていうのは、スピードには結構反映されていた。それもあって結構自信を持って、真っすぐを投げられたので、そこは良かったかなと思います」
―新庄監督も終盤以降の真っすぐが強かったと
「きょう、真っすぐの手応えはかなり。本当にちょっとしたことだったんですけど、良かったです」
―どんな握りに
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
「親指の置き方というか、曲げ方というか、それを変えただけなんですけど」
―縫い目への掛け方は変わっていない
「(人差し指と中指が)いつも開いていたのをつけたのと、親指を曲げて、上からも下からも結構強めな圧をかけて投げる感覚」
―自分で試行錯誤して
「最近流行っているんですかね。SNSとかで見てて。ストライダー投手(米大リーグ・ブレーブス)とか早川選手(楽天)とかもそんな感じで持っていたので、ちょっとやってみようかなと思って、(登板前に)やって良かったので、そのままゲームでやりました」
―きょうのポイントは真っすぐが良かったこと
「そうですね。真っすぐが良かったことで追い込んでからの選択肢が、二つ三つときょうはあった状況だったので、常に自分のテンポで投げられた。ファウルを取れたのが結構大きかったですけど、ゾーン内で勝負できるっていうのはあったかもしれないです」
―最後まで150キロを記録
「フィジカル的には全然問題なかったですし、そういう一つの工夫で変われるのであれば、プラスですごく良いことだったので、こういう試合の次の試合を大事にしてやっていきたいなと思います」
―球数は意識していた
「五回ぐらいで『あれ?』って。源田さんのヒットがちょっと悔やまれます」
―五回の外崎から奪った三振のスプリットは内側に食い込んでいくような軌道だった
「ちょっとシンカーっぽい感じでしたね、きょうは。スプリットが最近良くなくて、ちょっと改良したのがそっち方向のボールになった。右も左も使えるかなっていうところで、きょうはそのまま行きましたけど。いつもとはちょっと違うスプリットだったかなと思います」
―スプリットも握りを変えた
「それも握りをちょっと変えただけです。親指を変えて、そっちにナチュラルに行くようになった」
―二回、味方の攻撃が長くなった中での過ごし方は
「普段あんまりキャッチボールをやらないんですけど、キャッチボール2回出直したりとか。サプリメント取り直したりとか。これが細かく点数入っちゃうと、点を取ったあとの回が続くので、それは嫌だなと思いながら行きました。でも良かったです」
―大量リードは投球に影響したか
「1-0よりかは逆にプレッシャーが掛かった状態でずっと投げていたので、その分、集中力も切らさずに行けたっていうのは一つ大きな収穫かなと思います」
―ストライクゾーンで勝負できた要因にも
「そうですね。ソロ(本塁打)OKというか、思い切った投球はもちろん野手のおかげでできたかなと思います」
―命名するなら「ヒロックス」なのか
「ヒロックスらしいですね」
―シーズン2度の「マダックス」達成は球団で58年ぶり
「そうなんですか。へー。そういうピッチャーじゃないんで(笑)。四球がなかったのが良かったと思います」