伏見寅威が捕手としての礎を築いてくれた恩師・大脇監督へ感謝の思い胸に完封リード
■パ・リーグ14回戦 西武0-9日本ハム(7月28日、エスコンフィールド北海道)
今月27日に母校が監督交代
日本ハムの伏見寅威捕手(34)が28日、エスコンフィールド北海道で行われた西武戦に「8番・捕手」で先発出場。完封へ導くリードでチームの勝利に貢献し、27日に監督交代を発表した母校・東海大札幌高の大脇英徳前監督(49)へ感謝の思いを口にした。
「今日一日、特に頑張ろう」
恩師から連絡が届いたのは、前夜の寝る直前だった。「LINEだったんですけど、『問題があって辞めるわけじゃないよ』って。『また、ゆっくり話を聞かせてください』というやりとりでした」。遅い時間だったこともあり、短いやりとりで終えたが、この日の朝、新聞報道を見て「改めて今日一日、頑張ろう。特に頑張ろうと思った一日でした」と決意を新たにした。
スタメン起用を告げられ、「大脇先生のためにと言ったらアレなんですけど。今日一日は、今日一日だけはそういう思いも、心に持ってプレーできました」。感謝の思いを胸に秘め、グラウンドに立った。
二回には1イニング2安打
2試合ぶりにコンビを組んだ先発の伊藤を好リードし、打っては二回に1イニング2安打を放ってチャンスメーク。「たまには打ちます」と照れ笑いを浮かべつつ、「こういう最高の形で終われたので、大脇先生に良い報告できるかなと思います」と喜びをかみしめた。
元捕手の大脇前監督がいたことで東海大札幌高への進学を決断
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献身的な姿勢で投手陣からの信頼が厚い、キャッチャー・伏見の礎を築いてくれた恩人でもある。「キャッチャーを一から教えてもらったのは大脇先生。本当に感謝しきれないくらいです」。
捕手に転向したのは中学3年生の時。大脇前監督が選手時代に捕手だったことが、東海大札幌高へ進学する決め手となった。「何も知らない、何もできない状態だった。基礎をつくり上げてくれたのは大脇先生。僕がキャッチャーをやっているのも、大脇先生が指導してくれたからです」と感謝の言葉は尽きない。
情熱なしにはできない監督業
今年で34歳とベテランの域に達し、指導者のすごさを実感するようになった。高校時代はほとんど休みがなく、「この年になってみて選手ももちろんきついですけど、監督も休みなく学生と練習していたんだなと思うと、本当に情熱がないとできない。すごく感謝の気持ちになりました」としみじみと語った。
恩師の心に残る伏見が主将時代
大脇前監督は、一番の思い出として甲子園出場ではなく、2008年春の全道大会優勝を挙げた。その当時、主将としてチームをまとめていたのは伏見だった。
「もちろん覚えていますけど、監督は20何年やっている中で、それが一番なんだなって」。キャッチャーとして元気にプレーし続けることが、恩師へ何よりの恩返しになるだろう。