郡司裕也が価値ある進塁打&ダメ押し適時打 〝ラブライブ打法〟の真相は―
■パ・リーグ14回戦 西武0-9日本ハム(7月28日、エスコンフィールド北海道)
任務を遂行する仕事人
日本ハムの郡司裕也捕手(26)が28日、エスコンフィールド北海道で行われた西武戦に出場し、二回に勝利を引き寄せる2点適時打を放った。一回は進塁打でつなぎ、フランミル・レイエス外野手(29)の適時打をお膳立て。自己犠牲をいとわず、任務を遂行する仕事人が、打線をけん引している。
2軍戦で対戦してイメージあった
3点リードの1死満塁。2番手の中村祐に2球で追い込まれたが、焦りはなかった。外角変化球にバットを合わせ、右前にはじき返した。「中村祐投手は中日時代にウエスタン(リーグ)で対戦があったので、軌道はイメージできていました。逆方向を意識して丁寧に打ちにいった感じです」。
ラブライブ打法がトレンド入り
試合中、球団広報を通じて「ラブライブ打法です」とタイムリー談話を発表した。コメントはSNSを通じて拡散され、トレンド入りした。この日はパ・リーグ6球団共同企画で「ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」とのコラボ試合になっていた。宮下愛役の村上奈津実さん、天王寺璃奈役の田中ちえ美さんが華やかにファーストピッチを担当していた。
イベントを盛り上げようと…
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ユーモアとトーク力を兼ね備える郡司は「声優さん2人ともファーストピッチでいい球を投げていましたし、きょう打ったら言おうとちょっと思っていました(笑)」と告白。作品へのリスペクトを込め、イベントを盛り上げようとした形だが「便乗しただけです。(ラブライブについて)詳しくはないです。本当に薄い知識で言って、軽はずみな発言で申し訳ないです」と恐縮していた。
進塁打は前々日の打席が伏線に
大きな仕事はこの打席だけではなかった。一回の第1打席。無死二塁で初球のチェンジアップに食らいつき、ボテボテの一ゴロで走者を進めた。その後、レイエスに適時打が生まれた。
26日の試合が教訓になっていた。四回無死二、三塁でヒットと紙一重の二直。「一見、内容もいいですし、オーケーになりそうな感じですけど、実際は後続も倒れて点が入っていない。そういう結果を見ると、僕の役割は確実な方を選んだ方がいいのかなと」。
アウト覚悟でサイン優先
再び巡ってきたこの日のチャンス。欲はかかなかった。「進塁打のサインが出ていた。無理に一、二塁間を狙ってヒットを打ちにいっても…。きょうもセンターライナーがありましたし、最近は正面を突きがちなので、もうアウトでいいやと思って、徹しました」と振り返った。
打率下がっても監督が認めてくれる
決して派手ではない進塁打でもベンチは大盛り上がり。それだけ価値のある凡打だった。「ヒットを全く打ちにいってない。打率は下がりますけど、サイン通り決めた後は、監督もしっかりたたえてくれるので、それでいいかなと感じています」。万波、水谷、清宮、レイエス、マルティネスと大砲が揃う打線。勝負強いだけでなく、地味な役割も忠実にこなせる郡司のような人材が、打線に必要不可欠だ。